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日本精神分析

日本精神分析

日本精神分析

作家
柄谷行人
出版社
文藝春秋
発売日
2002-07-01
ISBN
9784163584300
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日本精神分析 / 感想・レビュー

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いろは

大正作家の芥川龍之介、菊地寛、谷崎潤一郎についての文芸評論。と、一言でまとめていいものだろうか。さすが、第一級の哲学者なだけあって、想像力と知性が素晴らしかった。巻末にある付録の小説の芥川龍之介の『神神の微笑』からは、日本の精神分析を説き、菊地寛の『入れ札』からは、近代議会制の本質を説き、谷崎潤一郎の『小さな王国』からは、社会主義と市民貨幣を説いている。それにしても、柄谷行人は随分読み込んでいると思わせられ、作品の時代背景やテーマもよく理解していることが分かり、私は、いかに読めてないかを反省するばかりだ。

2018/11/28

ほたぴょん

共同体の代表を選ぶ際に、能力である程度まで絞り込んだ後にくじ引きを導入すべき、という第3章が面白かった。この本を書いた後、柄谷は市民通貨QとNAMという「実践」に踏み込んで失敗を喫することになるわけだが、実践が失敗したからただちに役に立たない机上の空論だ、となるのはおかしいので、能力選抜+くじ引きという代表選出も、実際にやってみると偶然や悪意で手続きが破綻するところはあると思うけど、思考実験としては非常に興味深い。選挙とは選挙権者に自分が主権者であると納得させるためのシステムにすぎない、というのは卓説。

2018/01/03

takao

面倒な本

2016/09/17

mstr_kk

10年ぶりの再読。第一章で、資本制=ネーション=ステートの三位一体構造を標的に定めた後、それを変革(揚棄)するための理論を、柄谷にとって古巣である文芸批評から導き出してゆく。第二章では、何でも受け入れるが自分は変わらない(去勢の排除)、という日本人の特徴を漢字仮名併用に見つつ、そんな特徴に深い必然性などない、と述べて変革の可能性を拓く。第三章では民主主義の見直しと固定的分業の廃棄を、第四章では貨幣経済の見直しを提案。

2012/12/12

おめるた

言語と国家、日本精神分析、入れ札と籤引き、市民通貨の小さな王国の四章構成。言語と国会、日本精神分析が特に面白かった。日本人には確固たる主体がなく、原理的な機軸がない。あるのは微妙な感情の尊重。それを分析していくという著者。

2010/11/25

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