詩歌の待ち伏せ 上
詩歌の待ち伏せ 上 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
啄木や西条八十の詩との幸福な出会い。子供の詩を貶める文章への痛烈な批判。柔軟で屈伸自在な美の結晶「詩歌」を慈しむ名エッセイ。
2003/11/18
ぐっちー
まるで待ち伏せされたかのようにひょいと対面する詩歌。そんな出会いは記憶と結びついて、思い出になり、血肉となる。北村薫さんの詩や短歌、俳句に関するエッセイ。そんな本に私は図書館で待ち伏せされた。個人的には大学の教室の机の上に刻まれた二首のエピソードが印象に残った。私は普段、あまり詩や歌は読まないのだけれど、多分、待ち伏せされてるのにスルーしてきたってことなのだろうな。勿体ない。
2017/12/19
Yuki
十数年ぶりの再読。こういう国語の授業を受けてみたかったと思う。「米澤穂信と古典部」の対談で出てきた佐佐木幸綱のセロリの短歌とか、タイトルを出してないけどお嬢さんが聴かせてくれた椎名林檎の歌は「ギブス」だなとか、「稲垣足穂はホタルをひっくり返してタルホだと思ったら本名だった」って「双頭の悪魔」の台詞であったよねとか、気づくことが色々あって楽しい。
2017/12/23
雅櫻
こんなに待たせてごめんなさい。本当に知らないことばかりでした。最も好きな引用は「れ」という詩です。この発想は大人ではなかなかできません。 れ ママ ここに カンガルーがいるよ 本当だ、「れ」はカンガルーの横からの姿に似ています。 もう一つ。 「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。」 生きるということは少しずつ死を重ねなければならないのでしょうか。
2014/06/08
佐島楓
10年近く前に購入したのだが、いかに自分の読み方が浅かったかわかった。「悲しみ」(石垣りん氏)「黄泉路かへし」(星野慶子氏)のふたつの詩と添えられたエッセイがあたたかくて哀しくて泣いてしまった。感受性も年齢と共に変化するのだなと思った。
2012/01/11
感想・レビューをもっと見る