昭和が明るかった頃
昭和が明るかった頃 / 感想・レビュー
踊る猫
ふたりの関川夏央が居るな、と思った。ひとりはここに登場する綺羅星の如きスターたちを人間的にかつホットに描写し彼らの運命に感情移入する関川。そしてもうひとりは、彼らの登場した作品や生きた時代を「ダメなものはダメ」とはっきり切り捨ててクールに分析しようとする(多分に頭でっかちな)関川。両者のせめぎあいがこの本に独自の躍動感と批評性を加えているように思う。それはまるで歴史小説・風俗小説を読んでいるかのようで、しばしばノスタルジーにまみれて美化される「戦後」とはまた違った(矢作俊彦的な?)「戦後」の姿を感じさせる
2022/02/12
ごへいもち
面白かった。殆ど吉永小百合伝、過酷な児童労働、みんなそんな時代だつたの?
2021/03/18
まさやん80
高度成長時代前半の世の中の動きを、日活映画の主人公であった吉永小百合と石原裕次郎(二人の共演はあまりないのだが)の映画を通じて描写する。映画にまつわるエピソードは色んな本を引用したものだが、この二人と1960年代をつないだ着眼点がお見事。「吉永小百合の映画は何故つまらないか」という導入部はうまい。日活映画が好きな(僕は小林旭派)僕としては満足の一冊。
2013/11/15
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