はじめての文学 よしもとばなな
はじめての文学 よしもとばなな / 感想・レビュー
竹園和明
YA向け作家別作品集。2冊目に選んだのはよしもとばなな。ここで名作「キッチン」初読み。精神的喪失からゆっくり少しずつ再生して行く主人公みかげの姿に、リアルで挫折を味わった人はきっと何かを感じ取ることが出来るはず。人物造形や台詞が自然で物語への親和性が高い、まさにYA向きな柔らかな質感。この世に生を受け人生を歩む事となった全ての人に、仄かな希望を持たせてくれる穏やかで寄り添うような全7編。最初が「キッチン」、ラストが「デッドエンドの思い出」。配列を考え抜いたベストアルバムのような配置も見事な作品集だった。
2023/04/16
かんらんしゃ🎡
なんだかほんわかぼやけた話で、でもそれが気持ちよくて身体ごとマシュマロに包まれているようで。 こうあるべきって尖った言葉がないから安らぐのだろう。病んでいるとき読めば優しさに泣いてしまうだろうし、元気な時に読めばちょいと物足らないかも、とか思ってると『ミイラ』なんて作品も出てきて、弛緩からいきなり緊張を強いられる。 若い女性の生き辛さってのかな。
2023/05/19
jima
このシリーズの全12冊、読み終わった。読者の対象をどのあたりにおいているんだろうか。未知の著者との出会いのきっかけにはなるが・・・。
2015/12/31
ポテチ
先日いただいた本。自分がばななさんを語れるほど知らなかったのだと思い知る。これはすごいです。いい作品の寄せ集め。ばななさんの凄さを痛感しました。毒を盛られたカレーを食べたことによって、自分の中の毒が浮かび上がって自分の無意識を自覚した「おかあさーん」とか。ある失恋によって、本当の自分の思いを知った「おやじの味」とか。これは本当に読んで良かった。
2018/05/13
Gotoran
『SITHホ・オポポノポ』『ウニヒピリ』繋がりで、遅ればせながら、初ばなな本を読んだ。「キッチン」「おかあさーん!」「おやじの味」「バブーシュカ」「ミイラ」「ともちゃんの幸せ」「デッドエンドの思い出」の7作品。主人公の女性が自己の影の部分を見つめ、受け入れ、思い悩みつつも人と繋がることで温もりを感じながら、精一杯、等身大で生きてゆく、“それでも良いんだよ、影を認め前を向いていこうよ”と。哀しさ、寂しさと幸せ、優しく、温かみのある語り口調の表現描写、そっと寄り添う“ばなな”の魔法の言葉。
2011/12/29
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