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天皇と東大 大日本帝国の生と死 下

天皇と東大 大日本帝国の生と死 下

天皇と東大 大日本帝国の生と死 下

作家
立花隆
出版社
文藝春秋
発売日
2005-12-10
ISBN
9784163674506
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天皇と東大 大日本帝国の生と死 下 / 感想・レビュー

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てつ

戦前から存在していた組織にはそれぞれの戦争体験がある。財閥然り、大学然り、皇室然り、政府然り。 とにかく良識の府である大学の存在の有り様の変化は面白い。と同時に、東大総長といえども賢人ではないことがよくわかる。保存版。右左どちらの立場で読んでも面白い。

2023/07/17

しゃん

膨大な資料を基にした足掛け7年にも及ぶという圧巻の一冊であった。読む終えるのに骨が折れたけど、日本近現代史が興味深く感じられた。個性や灰汁の強い人物が多く出てきて、これまで知らなかった歴史の一面を知ることができた。印象に残った一節は、木下杢太郎氏の次の言葉。すなわち、「君たちは知識と智恵を区別しなくてはならない。……いくら知識を積み重ねても、それでは知識の化け物になるだけだ。それではいかん。人間のためになるようにするには、智恵が必要だ。では智恵を学ぶにはどうすればいいか。古典に親しむことだ」(694頁)。

2019/02/09

井上裕紀男

現人神と国体が人命よりも尊重される国だった日本。国民の意識を玉砕へと変化させた平泉教授、国粋主義批判を続けた河合教授、同じ東大でもかくの如き思想の違いがあることに深いため息をつく。 昭和天皇を無視して満州へと突き進んだ林銑十郎を始めとする人々の中では、結局のところ明治以前と変わらぬ天皇権威の利用が垣間見える。 終戦を阻止したい教授もいるが、南原・高木ら七教授の終戦工作は無駄ではないように思います。 膨大な参考資料を読み解いた著者から戦後世代への強いメッセージも所々に。いかなる国でも過ちを犯す理由が悲しい。

2021/08/14

黒豆

天皇への教育、民間教育の立上げ、2.26事件、満州事変、戦争のための洗脳的意識改革、教科書ともいえる教書の存在など、単なる明治,大正,昭和の歴史書ではなく、立花隆という天才的とも言える視点で国内外の社会情勢、関係した人々の思い行動が記録されており貴重な本。木戸日記(臥薪嘗胆推奨)、南原回顧録、高木惣吉日記、終戦史録、などの記録が残っている事がわかる。大昔になるが日本史の授業で受験対策優先という事で多分故意に飛ばし教えてもらえなかった時代の内容。図書館本で読んだが、蔵書化していつでも読めるようにしたい。

2017/06/19

入江

天皇機関説から終戦までを取り上げた、超マニアックな本です。知らない方が多く登場します。矢内原忠雄氏の大学での最後の演説が感動的でした。そして終戦前後の東大医学部では、階段の下などに泊まり込んで必死になって勉強していたんですね。いやぁ、それにしても『日本改造法案大綱』の北一輝から天皇機関説が来ていたとは。

2017/06/15

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