終生ヒトのオスは飼わず
終生ヒトのオスは飼わず / 感想・レビュー
ヴェネツィア
米原真理さんの愛猫、愛犬記。ただ、『ヒトのオスは飼わないの?』の続編のようで、どうやら読む順序を間違えたようだ。本書の出版は2007年5月25日。米原真理さんの1周忌だ。つまり、彼女を追悼する本でもある。巻末には彼女が看取ったネコとイヌ、そして彼女が断腸の思いで後に残していかなければならなかったネコとイヌのその後が添えられている。タイトル通り、終生結婚しなかった彼女は、心底からネコとイヌを愛した。それは失踪した愛犬ゲンを1年以上も、そして海外からも毎週、動物管理事務所に問い合わせ続けたことが如実に物語る。
2015/07/04
とよぽん
米原万里さんのバックボーンや経歴を知り、驚いた。ロシア語圏で子ども時代を過ごしたことやお父さんが共産党員だったことが、ソ連という国を相手にロシア語通訳で活躍した土台を作ったのだと思う。ユーモアと正義感と犬猫への愛情もすごい。五十代半ばで早世なさったのがとても惜しまれる。元気をもらえた。
2023/01/05
mokamoka
万里さんの題名がまた秀逸。たくさんの毛深い家族達にたっぷり愛情を注いでいた作者がなんとも優しくこちらまでほかほかした心持ちになる。猫たちの性格の細やかな書きわけで、登場人物達の見分けに困る事は一度もなかった。もう新作を読めないのだなぁと最後はまた悲しくなり、未読の本をゆっくり読んでいこうと思った。
2011/06/23
Melody_Nelson
万里さん、こんなにワンコ&ニャンコを飼っていたとは!大変だったろうな…。楽しいことも多いけど、ワンコ脱走はツラかったであろう。通訳という気を遣う仕事なので、彼らに癒された日々だったのかな。 後半の、万里さん父親の話が書かれていたのが目的で読んだのだけど、彼も凄い。お坊ちゃん育ちなのに、戦中に共産党員となり潜伏し、戦後レッドパージからはプラハへ。 巻末の秘書さんのエッセイは物悲しい。万里さん、旅立つのが早過ぎた…。
2022/10/08
ほっそ
最後に彼女の秘書のかたが、その後のペットたちのことについて、原稿を寄せています。また、最後の最後に、彼女の「年表」です。しんみりしてしまった読書となりました。
2010/03/31
感想・レビューをもっと見る