昭和文壇実録 小説家たちの休日
昭和文壇実録 小説家たちの休日 / 感想・レビュー
オールド・ボリシェビク
永井荷風から江藤淳まで、明治から大正、昭和の文壇で活躍した65人の作家を写真と文章で紹介していく。写真を撮影した樋口進は文藝春秋のカメラマンとして活躍したが、作家たちがどれもくつろいでいるのは、彼の人徳ゆえであろう。川本三郎の文章を読むと、永井荷風に影響を受けた後輩作家が多いことに驚く。人との交わりを嫌った永井荷風であろうから、その作品に感化された作家が多かったということか。粋人として一時、荷風もブームとなったがな。
2024/06/29
こっこ
★★★★☆ 見開き二頁に、写真家樋口氏が撮影された昭和の文士達のモノクロ写真が、経歴と共に紹介されている。それに続いて川本氏が当の文士に関して四頁に渡り多種多様なエピソードを披瀝している。全六十五人。ある程度慣れ親しんだ文士も、名前しか知らない方も、また初めて聞く名前の文士も居る。そこから浮かび上がってくるのは、「昭和と言う時代の文壇」と言う、閉鎖的でありまた特権的でもある空間の存在である。時代と共に「小説家」も、また「小説を書く」という行為の意味も変遷していくのだ。「古き良き時代」よ、さらば。
2016/04/07
横山ももこ
小説家たちの顔、そしてエピソード。楽しく読んだ。みんないい顔してた。
2011/12/20
nora
懐かしい昭和の文士たちのエピソードが満載。読んだことの無い作家が三分の一ほどいるけど、映画化作品を見ていることが多いので、全く知らない作家はいない。ま、そういうわけだから、この本を楽しむには、60歳を越えたてないとね。
2010/12/11
Gen Kato
昭和の作家たちの写真と短い評伝集。戦後の永井荷風にはじまって江藤淳で終わる構成も巧み。自分的には大好きな長谷川町子も入っていたのが嬉しかった。
2014/08/18
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