昭和天皇 第四部 二・二六事件
昭和天皇 第四部 二・二六事件 / 感想・レビュー
ぐうぐう
『昭和天皇』第四部は、五・一五事件で幕を開ける。福田和也の言う「昭和七年から十一年は、近代日本の曲がり角ともいうべき四年間」の、その曲がり角は血生臭いテロで始まるのだ。昭和天皇の意に反する出来事が次々と起こっていく。テロで始まった四年間は、二・二六事件というテロで完全に曲がりきり(それが失敗に終わってもなお)、もはや、とりかえしのつかない場所に日本を運んでしまう。にしても、五・一五事件の犬養毅といい、二・二六事件の鈴木貫太郎といい、理不尽な銃口を向けられての、しかし堂々とした態度には胸打たれるものがある。
2016/06/17
ひこまる
世界恐慌への対策が(努力したものの)後手後手にまわり、その貧窮および八方ふさがりが偏狭なナショナリズムを伴った国内世論を高め、軍部の暴走が始まるという悪循環。それを憂えた「彼の人」の行為は「君側の奸どもの仕業」とされ2.26事件を引き起こされるなど表面上はともかく、その権威は大きく失墜することとなってしまう。この凄まじい時流のうねりの中では「彼の人」の強い意志と指導力はその鎮圧のみに発揮されたのが関の山だったのだろう。第3部と同じく、この悪循環は現代の流れに似ているようで憂鬱な読後感にさせてくれる。
2012/10/05
じろ
★★★★ 2・26事件にとうとう到着してしまいました…軍部はなんでこんな横暴ができたんだ?と思ってたけど国民の民度の問題でもあったんだなぁ…国民がアホだとこうなるってことか。そのかわり払った代償は国民からほとんど出されたものだけども。教育って大事だけど怖い…
2019/09/27
勝浩1958
イギリス政府最高財政顧問リース・ロスのイギリス側からの提案を外務次官重光葵や外務大臣広田弘毅が受け容れていたら
2010/10/09
Char
★★★★ 以前ご紹介した本シリーズもようやく第4巻を読破。本巻で一気に陸軍の暴走が進み始め、話の展開としてぐぐっと盛り上がってきました。面白い! しかし、戦前の混乱期の詳細を読むと歴史は繰り返すというか、今の日本とダブるところが多いなぁって思います。首相がコロコロ変わることだけでなく、変わる理由の幼稚さやら、空気が支配する意思決定の仕組みやら読んでいてデジャブすら感じます。 結果論で「どうして負けるとわかっている戦争を始めたのか?」と問われることが多いのですが、我々世代も後世に「どうして破綻するとわかって
2012/05/16
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