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「酸甜苦辣」の大陸 おいしい中国

「酸甜苦辣」の大陸 おいしい中国

「酸甜苦辣」の大陸 おいしい中国

作家
楊逸
出版社
文藝春秋
発売日
2010-10-29
ISBN
9784163731605
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「酸甜苦辣」の大陸 おいしい中国 / 感想・レビュー

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nyanco

中国人からみた日本の不思議と、日本人の知らない中国が描かれた楊さんの作品、興味深く読んできました。食べ物エッセイって中国での食の思い出…くらいに思っていたので読み始めてビックリ。食を通して描かれた楊 逸さんと家族、そして中国の政策が国民生活をどう変えていったかが描かれていました。お隣の国であるのに、あまりにも自分が知らないことが驚きであり恥ずかしくすらなりました。「文化大革命」の言葉は何となく解っていたつもりですが「下放」という言葉もその意味も全く知らなかった。続→

2010/11/17

たまきら

元地主階級出身の母、教養のある家族とともに貧しい山村で暮らした著者の当時の思い出にひきつけられました。下放された兄姉の思い出。母親が作ってくれた食べ物、思い出の中国の味。愛していた犬との別れの話はきつかった…。同時に自分の思い出の味についても思いがいきました。母と一緒に作ったオニオングラタン。ニジマスのパイ。大笑いした夫の無茶苦茶なレシピ…。面白かったです。

2022/11/16

シルク

まず言っておく。「中国、食の三千年の歴史。グルメ祭り!」みたいな話ではない(笑) 著者のこども時代は文化大革命期の最中。学生であった、一番上の姉がまず「下放」――国民の義務として農業に従事させるべく、地方に送り出すこと――された。著者の両親は学校の先生。二人とも下放されることとなり、まだ幼い著者含め一家は、住み慣れた土地を追い出されるようにして離れ、田舎へと移住していった。過酷な生活が何年も、何年も続く。飢えの恐怖がぴたりと張り付いてもいた。それでもぬくく、記憶の彼方で輝く食の思い出がある……そんな本。

2018/09/10

野のこ

お隣の国なのに3〜40年前の事とはいえ、貧しい時代だったとは恥ずかしながら知りませんでした。「母の震える背中と抑圧されたお嗚咽」の一文がとても印象的でした。少ない食糧のなかでの食事、レストランみたいな美味しさではなくて、大人になってから思い出すと家族と食べたささやかな美味しさ、楽しさが心の奥からじんわりと蘇る。母が作ったラードを使ったサクサク柔らかいパイを自分も母となり子に同じ物を作るエピソードは素敵でした。サラダ油ではサクサクにならないんですって。

2017/05/03

メイ&まー

日本でいうと戦時中の食事がこんな感じだったのかなあという、ヤン・イーさんの幼少期から娘時代までの中国の食事情を追ったもの。おいしい甘い記憶もあれば、哀しくてつらい記憶が味とともに蘇えるのだろうなあというものもあり。日本でも「戦争中に嫌になるほど食べたから芋は好かん」というお年寄りもいますね。中国映画で観た飴掛けサンザシの串刺しはやっぱり出てきたし、小さいころに木から落ちて舌を根元から噛み切ったあとの驚きの顛末やら、豚の血の調理法に震え上がったりとか・・・なかなか読みごたえあり。面白かった。

2014/10/06

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