人魚はア・カペラで歌ふ
人魚はア・カペラで歌ふ / 感想・レビュー
紅はこべ
読んだ本の引用と感想から成った本。丸谷さん、おそらく原稿は手書きだろうから、書き写すの大変だったろうな。かつての丸谷エッセイだと、取り上げられた本が読みたくなったものだが、今回は学術書が多いせいか、あまり読書欲はそそられず。大野晋と司馬遼太郎の偏愛は相変わらず。
2021/08/26
あきあかね
「楽しくなければ絵画じゃない」とルノワールは言ったが、丸谷才一も「楽しさ」を読書で最も大切にし、常に「読んで愉快な、おもしろい、心の晴れる話」を書こうと心掛けていた。 この晩年のエッセイ集においても、尽きることのない好奇心とユーモアを帯びた瑞々しい感性は健在である。時にゴシップも混じえつつ、話題は縦横に展開される。 長編小説は「時間の芸術」という言葉が印象的だった。時間の流れに身をひたし、夢中になって、作者や主人公とともに一気に泳ぎ切ることの快感。確かに長編小説は、あらすじだけ知っても余り意味はなく、⇒
2020/10/23
テイネハイランド
図書館本。初出誌「オール読物」2009/4-2011/9。著者晩年のエッセイ集。幅広く硬軟取り混ぜて本を読んでいて、その本の紹介が相変わらずうまい。磯田道史「竜馬史」、バイコフ「偉大なる王(ワン) 」、ホフマンスタール「チャンドス卿の手紙」、チャブリス他「錯覚の科学」、瀬戸内寂聴「奇縁まんだら」、宮崎市定「史記列伝抄」、安富歩他「「満州」の成立」、秋篠宮文仁他「鳥学大全」など、どれも興味深い。
2015/11/29
斎藤元彦そっくりおじさん・寺
坂本龍馬について書いた『新・維新の三傑』を読みたくて借りた本。新維新の三傑を龍馬・鞍馬天狗・土方歳三では無いかとしているが、今時鞍馬天狗は無いだろうと呆れる。しかし博覧強記。盛り沢山としか言いようが無い。無人島に一冊持って行くならこの人のエッセイかも知れない。私の好みだが、日本の人物について書かれたものが実に面白い。魯山人の話やポルノの話も良い。話題が広がるのも心地好い。安吾の『信長』が読みたくなった。和田誠の絵を見るだけでも楽しい。一冊で文学歴史科学芸術グルメポルノゴシップを満喫。
2012/03/19
シンドバッド
丸谷才一さんの本は、一日で引き入れられるように読んでしまうが、本書は、キレのあるものと やや??と感じる程のものと 差がある。丸谷さんの体調の関係かな?
2012/10/05
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