フォトグラフス ロバート・キャパ写真集
フォトグラフス ロバート・キャパ写真集 / 感想・レビュー
zero1
【戦争写真家としては失業のままでいたい】と述べたキャパ。死肉に集まるハイエナのように見られ英国では【写真屋、どんな気で写真がとれるんだ!】と言われた彼。スペイン内戦では【崩れ落ちる兵士】が真贋論争に(後述)。ノルマンディー上陸作戦では【ブレの迫力】が威力を発揮。最も印象深いのがフランスでのドイツ協力者。解放後、丸刈りにされた女性を嘲笑する人々は、まさに人間の本質。キャパは【戦争写真家】として知られるが撮影した多くが【戦争に直面した人】だった。そして54年に地雷を踏む直前【最後の一枚】。解説は沢木耕太郎。
2021/01/15
おおた
戦争写真ばかりが取り上げられるキャパだけど、実際は人々の感情豊かな表情をしっかり捉えている写真が目立つ。心細さ、哀しみ、傲慢。特に「空襲警報」関連の写真には民衆が感じる不安や焦りがダイレクトに伝わってくる。娘の手を取りながら空を見上げる女性の不安、犬とともに走って逃げる女性のスカート、「生きる」ことの困難とつかの間の喜びが描かれる写真が多い。長生きしていたら後期のように笑顔を撮った写真が増えたのだろうか。
2016/11/14
石油監査人
第二次世界大戦期に活躍した報道写真家、ロバート・キャパの写真集です。沢木耕太郎が解説を書いています。代表作である、「スペイン内戦の崩れ落ちる兵士」や「ノルマンジー上陸作戦」といった戦場の写真から、ピカソやヘミングウェイなどの著名人の写真まで多数掲載されています。特にキャパが地雷に触れて亡くなる数分前に撮ったインドシナの風景の写真は心を打ちました。もし、ドローンが飛び交い、宇宙空間やサイバー空間まで拡がった現代の戦場にキャパが立ったら、彼は何を撮るのかを考えてしまう一冊でした。
2021/11/02
kurupira
「技術が劣っても力強い写真がいい」に納得、だから時代が変わっても語り継がれるんだな。古本屋で見かけて つい購入してしまった。沢木さんの解説から後のあの本の構想がうかがえる。
2018/01/20
てんちゃん
時間をしっかりとって、大事にみよう、大事に読もうと思っていたら、半年近く寝かせてしまいました。写真から、時代の空気が流れ、被写体の人々の感情が伝わってきます。迫力のある戦闘シーンより、そこに生きる人々の素のままの表情に強く惹かれました。写真って、とても力を持っているんですね。筑紫哲也さんの著書を読んで、『写真』の価値というものに興味を持ち、この写真集に巡り会いました。筑紫さん、よい本との出会いをくださって、ありがとうございました。年を越さないで、読めて良かった( ̄▽ ̄)=3
2014/12/25
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