KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

春を背負って

春を背負って

春を背負って

作家
笹本稜平
出版社
文藝春秋
発売日
2011-05-30
ISBN
9784163805504
amazonで購入する

春を背負って / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

のっち♬

亨が奥秩父で営む山小屋と母の民宿などで遭遇する様々な事件を描いた6編。高山植物の盗掘、登山道の陥没、悪天候の中下山を強行しようとする客など山の実情が列挙されるが、やや荒唐無稽な挿話の焦点は登場人物が直面した死や離別からの再生にある。「筋金入りの自然体」のゴロさんによる理屈を超えた人生訓が狂言回しとなって描かれる人々の心の触れ合いは、冷涼とした舞台に温かみと爽やかさを与えている。彼の偏屈ぶりは亨の母のあけすけさとは好対照だが、二人とも心の中に「損得抜きで背負う価値のある大事な荷物」を見出した幸福な人なのだ。

2021/06/03

すこにゃん

挫折者、落伍者、自殺志願者などがマイナーな奥秩父の山小屋に関わってゆく群像を心揺さぶる物語で描いています。生きる希望とは、幸福とは何か、登場人物達はそれぞれの答えを求めてゆきます。ゴロさんの生き方にはいろいろと考えされられましたが、人生は様々で人の数だけ答えがありそうです。封切間近の映画では立山連邦が舞台になっているようですね。

2014/06/08

とし

笹本稜平さん初読み、抱える苦悩や辛さや何がしかの悩みを抱えた人たちが 山に登り梓小屋にたどり着き生きることの大切さを知る良い話でした。「不幸ってのは人間を育てる肥やしなのかもしれないね 」 映画封切られ是非観たかったのですが日程が合わず観れなかったのが残念。

2014/09/07

mura_ユル活動

行きなれている奥秩父。舞台は、この間登った金峰山の近く、国師ヶ岳や甲武信ヶ岳や佐久あたり。長嶺亨が梓小屋を事故死した父親から引継ぎ、父の大学の2年後輩ゴロさん、そして自殺志願者だったけど、山に来て「生きることにした」美由紀の3人が、山小屋で働きながら山の色々な事件に遭い、人生を振り返る。全6編。軽い感じのする物語でさくっと読める。ゴロさんの人生についての語りが随所にあるけれど、サプライズほどの内容ではない。こんな山小屋に泊まりたい。霧がかったきれいな春山の絵の表紙は、電車で読んでいても周りに見せたいほど。

2013/02/07

あすなろ

ひとことで言えば、安定感のある本だった。春を背負って、って、良いタイトルですね。そんな暖かさと爽やかがある作品だった。いい読書をしたが、未踏峰の方が印象深いかな?しかし、笹本さんの登山小説は、なかなか良く、また別の作品も読んでみます!ご紹介頂きましたリグレットさん、ありがとうございました!

2014/04/07

感想・レビューをもっと見る