陰陽師 醍醐ノ巻
陰陽師 醍醐ノ巻 / 感想・レビュー
れみ
安倍晴明と源博雅の登場するシリーズ、11作目。「夜光杯の女」で博雅の言葉が晴明や賀茂保憲の予想を超えた展開を招くところ、博雅らしくていいなあ。「犬聖」に出てくる心覚(保憲の兄・保胤)はなんてヒステリックな人かと最初思ったけど読んでいくうちに素敵な人でもあるなあと思えてよかった。晴明や保憲のように「見えること」にも心覚のように「見えないこと」にも思うところや苦しさがそれぞれあるのかな。それはそうと…晴明と博雅の会話…毎回こそばゆい^^;
2015/10/20
ハイランド
たまたま読んだ「鼻の上人」に触発されて未読の巻から読み始め。「『どうだ、ゆくか』『う、うむ』『ゆこう』『ゆこう』そういうことになった」安心のフレーズに促され、読者はすっと妖しの世界へ誘われる。雅な平安の都、ゆったりと時が流れ夜がずっとずっと暗かった昔には、怪異と隣り合う世界があったのかもしれない。伽羅の匂いの女と楊貴妃の話が良かった。ところで本書が発行されたのが2011年5月。あれから5年経ったのですね。再び陰陽師シリーズを手に取ったのは、自分の心に、この世界を楽しむゆとりが戻ってきたからかもしれません。
2016/03/10
文庫フリーク@灯れ松明の火
「源博雅は、笛を吹いている」この冒頭だけで、すっと陰陽師の世界に戻れる不思議。水戸黄門印籠のような「ゆこう」「ゆこう」の心地良さ。楊貴妃や猫又沙門。還暦迎えた獏さんの遊び心にニヤリ。個人的に魔人のイメージ強い(帝都物語)保憲の哀しき信の才『犬聖』珍しく我がことで苦悩する博雅『笛吹き童子』切ない2編『はるかなるもろこしまでも』『白蛇伝』飛びぬけた感じは無いけれど、安定感抜群の短編9作。そろそろ『生成り姫』のような長編、がっつり読みたいところです。他のシリーズ執筆にも期待してます、獏さん。
2011/06/11
えみ
毎度書いている気もするが…安倍晴明と源博雅の仲の良さは癒し。晴明の屋敷で自然を愛でながら酒を吞む二人、珍妙な客人を迎えて面倒事を引き受ける2人、博雅の笛を求める晴明。毎度同じながらこの同じが重要。安心して展開を期待しながら読める。絵物語の陰陽師を読んだら、小説陰陽師も楽しみたくなってついつい手に取ってしまった。連作短編集なのに満足感は長編並み。今作は珍しく博雅が笛の才能に嫉妬を見せる。いつもあんなに余裕があるのに!!となかなかの衝撃と、やはり天才も不安なんだという安心感。果して彼の嫉妬する笛はだれが吹く?
2022/05/09
tama
はるかなるもろこしまでも は、ちょっと泣けた。
2012/07/24
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