流される
流される / 感想・レビュー
角
「東京少年」「日本橋バビロン」と続いた三部作完結編。母方の祖父の人生を追っているが、残念なことに前二作ほどテーマに切実さが感じることができなかった。下町と山の手の対比……がしたかったのだろうが、もう少し祖父の人生をうまくストーリーに組み込んでほしかった。新作が読めたことはうれしいのではあるが。
2011/10/06
yuzuriha satoshi
両国下町三部作・第三部 全二作では主人公の実家を中心に描いてきた 今回は青山に住む母方の祖父の人生を追いながら 下町自宅と山の手の学校での二重生活 裕福な母方と没落していく実家 相反するベクトルの中で主人公自身も心のバランスを失っていく 万引きを正当化しようとする主人公の心が痛い 戦後急速に変わっていく下町・両国日本橋、山の手・青山、横浜の風物が沁みる 創作ノートで3.11のことに作者が触れている その衝撃を乗り越えて今をどう描くのか次作に期待している
2011/10/17
kobaken
三部作の完結編。前二作同様、当時の風俗、生活等がリアルに響いてきます。小林氏の個人史ではありますが、何というか普遍的な人の営み、家族の物語として感じられ、そしてそれを読む喜びを確かに感じるのです。うまく言えませんが…。ともあれ、これからも著者の新作が読めることを切に願います。
2012/01/28
しんこい
下町の話から今度は母方の実家、山の手の屋敷が登場、全く違う世界だったらしいのですが、想像外です。ともあれ新作が読めたのはありがたい事です。流れるでなくて、流されるなのですね。
2011/09/29
こばりん2548
日本橋3部作の最後、エンドの弟の小林ヤスヒコの生活の描写が秀逸。
2011/08/20
感想・レビューをもっと見る