かわいそうだね？

ヴェネツィア

上京以来ずっと意識的に標準語を話し、したがって標準語で思考してきた主人公の樹理恵。だが、最後の土壇場では恋人の隆大に大阪弁で本心をぶちまける。それはたしかに抑圧からの解放ではあるだろう。しかし、小説内でのその行動は、所詮ほんとうはそうしたかったという幻想でしかない。つまり、綿矢りさには川上未映子のような純大阪弁小説は書けないのだ。『インストール』以来、綿矢はこれまでも身の丈にあった小説を書いてきたが、今はその重大な分岐点にあるのではないだろうか。小説の可能性は、むしろ「亜美ちゃんは美人」の方にあるようだ。

2013/01/28

hiro

「インストール」「蹴りたい背中」に続いて綿矢さん３作品目。主人公が今の綿矢さんと同世代の女性が主人公の２作品。「かわいそうだね？」：「イニシエーション・ラブ」を読んで、女性のしたたかさを改めて思い知ったがｗ、主人公の彼氏の家に同居するこの元カノのしたたかさに比べ、優柔不断な彼氏は対照的だった。「亜美ちゃんは美人」：美人の友達をもった女性の心の動きを描いた作品。綿矢さんが非常に美しい方なので、自分の経験を逆にして書いたのかと勘ぐってしまった。２作品とも、男にはわからない若い女性の心理が見えた作品だった。

2012/08/21

♡手乗りタイガー♡

本当にかわいそうなのは誰？全員でしょ。タイトルの『かわいそうだね？』は本当に彼氏のことが好きで好きで我慢しようって背伸びしてたのはわかるけど…もしあたしが彼女の立場なら絶対許せんしってか許さんし、別れるわ！１００年の恋も一瞬で冷めるわ！ｗいやめちゃ個人的な感情になってしまうけど、好きならちゃんと彼女管理しなさいよ！しかもああいう生活するんやったら『３人で会うのは俺が嫌だ、気まずい』とか、おいおい何言っちゃってんの？そして彼女も最後に大発狂するまで溜め込んじゃダメ！

2014/03/10

ちぃ～

みんな、かわいそう！。タイトルどおりだ。彼氏のことが大、大、大好きで、我慢しようってしてたのはわかる。もしあたしが彼女の立場なら許せないかな。大発狂するまで溜め込んじゃダメじゃん。読書は、いろんな人の気持ちがわかる気がして面白い。沢山読みたいな。

2015/04/12

takaC

今まで読んだ綿谷りさ作品の中で一番面白かった。樹理恵さんの話（『かわいそうだね？』）も良かったけど、坂木蘭さんの話（『亜美ちゃんは美人』）の方がより好き。

2012/06/04