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すみれ

すみれ

すみれ

作家
青山七恵
出版社
文藝春秋
発売日
2012-06-11
ISBN
9784163813608
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すみれ / 感想・レビュー

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あつひめ

相手の気持ちは推し量ることができても「わかる」とは違う。どんなに仲が良くても、どんなに身近な存在でも。レミよりも藍子がとても気になった。子供の頃から大人の心を植え付けられてしまったような環境。大人には都合の良い「良い子」。いいのかなぁ。それで・・・。登場人物たちがみな本音を言わないのがとっても作品を薄味にしてしまっている。それともその薄さが現代社会を現わしているのかしら?心の不安定で15歳の少女より子供っぽい所もあるレミだけれど、思ったことを言えるって大事なことのように思える。心に蓋をして生きるのは辛い。

2013/02/07

ミーコ

サラッと読めた1冊ですが 心にズシッと来るお話でした。レミちゃんと藍子 37歳と15歳であってもお互い大切な存在だっはず・・・ ただ15歳では 心の不安定なレミちゃんを支えて行くには幼かった… 多忙な両親に代わり レミちゃんが藍子を育てて来た所も有ったのに、お母さんの嘘は 酷いのでは❔と思ってしまいます。一生を抱え込む覚悟がないなら 最初から面倒みなきゃいいのに と思ったり・・・。でも放っておけなかったんでしょうね。レミちゃん 何処かでシッカリ生きてて欲しいし、いつか藍子の小説が目に止まります様にー。

2015/05/26

優希

凄く切なくなりました。15歳の藍子と37歳のレミちゃん。心に問題を抱えるレミちゃんと生活を共にする藍子はわかりあっているように見えますが、その波長を合わせていくことは難しいように見えました。心に問題を抱える人には何処か腫れ物に触るようなところが出てくるし、永遠に助けることはできないんですよね。大人になること、自分の力で生きることは他人からは手を差し伸べられることではないのだと改めて思いました。藍子はレミちゃんの救いと同時に重荷だったかもしれません。これは藍子を通してのレミちゃんの物語だったんですね。

2014/08/31

風眠

思春期の熱に浮かされたような、ほんの一瞬の夢みたいな、でもどこか寂しいものに包まれたような。夢を諦められなくて大人になりきれなくて、精神のバランスを崩してしまった「大人の女の人」と過ごした思い出というのは、中3の女の子にとってはキラキラして忘れられない特別な出来事だろう。思春期の女の子の目を通した大人達は、優しいけど残酷で、弱いけど強くって、不器用に互いを想い合っている。レミちゃんを受け止めるにはまだまだ子どもだった藍子だけれど、自分の将来をほんの少し夢をもって思い描けるようになったのかな・・・なんてね。

2012/08/05

よこしま

誰にも理解できぬ人の苦しみ。◆初読みの作家さん。心が病むのは誰にでもありますが、生まれつき人とは違う人がいることにスポットを当てた作品です。読みやすいですが、考えさせられることも。◆僕自身の周りにも、才能があるのに、学校という枠にハマりきれない人がいて、レミと彼がだぶって見えてしまいました。居候しつづける38歳の彼女が、主人公・藍子が中学生であっても親友。誰かがいなきゃ生きていけない。しかし藍子の母が最後に出した答えは、頼らずに自立して生きてほしいと。◆正解はないけれど自分が当事者ならどうする?

2016/02/17

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