永遠者
永遠者 / 感想・レビュー
あつひめ
永遠の愛と言うものは存在しないものではないかと改めて感じた。永遠の命を得ても失うものが何と多いことか。永遠者となったコウヤの苦しみがにじみ出ている。見送られるよりも見送る方がどれだけ寂しく切ないか。取り残される恐怖。明治大正昭和平成・・・生きると言うよりは生かされてしまったと言った方がコウヤの気持ちに近いのか。終わりがあるから日々を大切に、そして些細なことが幸せに感じられるのではないかと年を重ねて日々暮らすことの幸せを実感した。今更だけど、辻さんは「」を使わない人だなぁ~と分かち書き読みをしながら感じた。
2013/02/03
美紀ちゃん
不思議な話。ファンタジーのような。こういう激しい恋愛の話も好き。「愛というのは、いずれ来る別れを惜しんで今をともに生きる中に宿る。永遠ではなく一秒の中に込められた気持ち。」一人で何年も待つのは寂しいし、嫉妬に狂いそうになる。だから滅びる事を選びたくなる。
2012/12/17
ちゃんみー
ヴァンパイア伝説や万博など、盛りだくさん。およそ100年も生き続ける主人公とフランス人女性の物語。『終わりがあるからこそ、今が豊かだということを。』など、記憶に残る言葉が散りばめられていました。辻仁成氏らしいといえばらしい作品ですが、でも少〜し違うかなっ。
2012/11/03
Nak34
こういう作品が私は好きなのかな。蘊蓄たれだからな。読み耽った。一日を生きる意味を永遠の命を持つ者を描く事で表現した作 品。ロードオブザリングでも、海賊に与えられた究極の罰が死ねな い事だったな。さあ、太陽がご機嫌な今日、さっさと着替えを済ませて、散歩に出掛けよう。トリニテ教会まで行くかな。
2013/02/16
それいゆ
辻仁成さんお得意のヨーロッパを舞台にした甘ったるい恋愛小説かと思いきや、あり得ない設定のとんでもない話でした。読んでいくうちに「ベンジャミン・バトン」と共通の匂いがしてきて、この話は映画化すればおもしろいのでは?という気がしてきました。舞台は19世紀、パリのムーラン・ルージュから始まる話には華があります。明治・大正・昭和と戦争の中を生きる主人公たち、パリと大阪の万国博覧会も物語に花を添えるでしょう。そして21世紀、平成の9.11の時多発テロ、3.11の大震災へと続く壮大なドラマになりそうです。
2012/12/05
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