路
路 / 感想・レビュー
ミカママ
読み終わった今、静かに号泣しています。(日本語変?)この物語には私の好きな①人と人とのふれあい、②日本人のプライドと技術力(新幹線!)そして最後に③すれ違い続ける恋愛、のすべてがありました。来年の帰国時の旅行は台湾にしたい、とも。「小説の中でかっこいい職業って必ず建築家なんだよな~」と建築家の友人に言ったら「建築家は哲学者でもあるからな」だそうで。これが最高の小説であるかどうかはわかりませんが、私にとって最上の小説であることは間違いないです。一生吉田修一さんについて行こう、と再決心しました。笑
2015/07/16
にいにい
台湾新幹線開業までの7年間、新幹線建設の歩みとともに、美香、人豪、威志、勝一郎、安西などの様々な人々の仕事やプライベート、恋愛、悩みやその他の出来事が綴られていく。台湾の情景・料理、生活を疑似体験させてもらいながら、特に大きな盛り上がりはないが、心の行き違い持つ人々が一本に。路(線路)に凝縮されていく。吉田さんの描く人間模様、人生ってこんなものかも。登場人物たちの交差、温かさが気持ちいい。台湾に行きたくなる一冊。
2016/01/30
まちゃ
台湾新幹線プロジェクトに絡めて日本と台湾の間の個人の絆を描いた物語です。素直に感動しました。多田春香と劉人豪のほのかな恋愛、勝一郎と呂燿宗(中野赳夫)の切ない友情。屋台をはじめとした台湾の文化と風土が大変魅力的で、台湾を旅してみたくなります。
2015/08/14
あすなろ
台湾の郷愁を帯びる情景とそこで少し心をゆっくりと生きる人と、三百キロを達成した高鉄、即ち日本の台湾新幹線を描く。吉田氏は、新幹線の技術論に陥ることなく、台湾と我が国の架け橋になるような秀逸な作品を描いたと思う。純粋に行ったことない台湾を訪れてみたい。更に、複数描かれるストーリーの中、やはり時を超えたラブストーリーと成長ストーリーは、一際心打つものがあった。ミカママさん・ゆりのきさん。佐島さん。もっと早く読めば良かったというぐらいいい作品でした。
2015/08/27
hiro
『7月24日通り』や『悪人』は映画を観ているが、吉田修一さんの作品を読むのは始めて。新聞の書評を読んですぐに図書館で予約した。台湾新幹線建設のために台湾で働く春香、同僚の安西、戦前に台湾で生まれ育った葉山、車輛工場で働くようになる陳威志、そして台湾を訪れた春香と一日だけすごしたが、その後連絡がとれなくなり、今は日本で働く劉人豪の5人それぞれ話が、新幹線の建設が進むにつれて、一つに収斂していく。特に余韻を残すラストが好きだ。春香と人豪が出会った淡水には以前行ったことがあるが、もう一度行ってみたくなった。
2013/02/04
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