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たまさか人形堂それから

たまさか人形堂それから

たまさか人形堂それから

作家
津原泰水
出版社
文藝春秋
発売日
2013-05-24
ISBN
9784163821009
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たまさか人形堂それから / 感想・レビュー

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ハイランド

うかつにも「綺譚集」と「たまさか人形堂」の作者が同じとは、本書を手に取るまで気づかなかった。器用な作家である。そういえば「奇譚集」に描かれた狂気に満ちた美学は、本書の人形師達に通じるものがあるかも。人形という物言わぬ似姿に、人はどのような感情を持つのか。愛翫する者、眺める者、唯飾るだけで顧みぬ者、あるいは実用品?本書は前作以後のたまさか堂のエピソード。作者は人形作家達に自らの創作の苦悩を語らせているように思える。主人公である店主澪、彼女のハーレム物語かと思わせるシチュエーション。女性受けを狙っているのか?

2015/02/27

nobby

早10ヶ月経ってしまって手に取った続編、いろいろ思い出しながら話について行くのに必死(笑)相変わらずたまさか人形堂の面々が素敵過ぎる。前作では各々の背景が訳ありだったり、急展開のラストが印象的だったけど、静かなエピソード続く今作は“承”の位置付けということかな。それでも優しく深く描かれながら、いつのまにか事柄が拾われているのもいいね。そして若き天才的な人形職人の葛藤と成長が物語の主題ともいえる。その最後の決断には驚いたけど…付録的な最終章で、彼らの目線と言葉で語られる直近の事情が読めるのがまた微笑ましい♪

2019/07/18

紅はこべ

少女小説作家時代の津原氏の作品は読んだことはないが、こんな感じだったのかな。大人の少女小説。職人にも芸術家にもなりきれない冨永くんの苦悩とそれを見守ることしかできないパトロネスの澪さんの苦悩。これも芸術家小説のヴァリエーションでもあるのか。リカちゃん人形をハウスと共に何の未練もなくゴミに出した、鬼畜な私にはイマイチ共感できない世界ではあるけれど。

2015/10/10

あつひめ

物には魂が宿ってる…なーんて子供の頃から思う私には、人形たちの会話が楽しそうで。オモチャのチャチャチャのオモチャ箱を開いたときのようなワクワク感。お藤さんの物言いが好き。澪が木目込み人形作りにチャレンジ。知らず知らずのうちに人形について耳年増になっていたから…初心にかえる…いやスタートラインに立つ感じでたまさか人形堂の今後がまたまた、楽しみになった。一回り成長したたまさかメンバーにまた会いたいな。

2013/10/13

紫 綺

「たまさか人形堂物語」の続編。主人公の煮えきらなさが少しずつ解消。登場人物たちの会話のやりとりが痛快で楽しい♪色々な人形の知識が増える一冊。

2018/04/01

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