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桜庭一樹短編集

桜庭一樹短編集

桜庭一樹短編集

作家
桜庭一樹
出版社
文藝春秋
発売日
2013-06-13
ISBN
9784163822105
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桜庭一樹短編集 / 感想・レビュー

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hiro

装画の「あぜ道」をみて、桜庭さんが得意な少女を主人公にした短編集かと思ったが、バラエティにとんだ内容の短編集だった。『このたびはとんだことで』:この修羅場は申し訳ないが笑えた。『五月雨』:『赤朽葉家の伝説』が頭に浮かぶ。『冬の牡丹』:三十代の別嬪と老年の男性の話。今まで桜庭作品にはなかった組み合わせ。やはり桜庭さんは別嬪がお好きだ。『赤い犬花』:道尾さんの作品が頭に浮かぶ。全体を通じて他の作家が得意なジャンルの作品もあり、桜庭さんの守備範囲の広がりを感じた。やはり「あぜ道」はインパクトのある装画だった。

2013/09/13

sk4

「君らは、好きな人と、必ずしも付き合いたいわけ?」(モコ&猫) ・・・ああ、なんか、すごくわかる。特に絶賛桜庭中毒の私には、パーソナルな世界を描く手法の使い手である(と私が勝手に思ってる)桜庭一樹が、『モコ&猫』の中に描いたのは【モコ】の世界だということが。アンバランスというバランスを保つモコ♀に驚愕した猫♂は、モコのあるがままの世界を愛し、触れず、眺めるだけ。モコが素で求めない限り、その世界には猫自身すら立入り禁止なのだ。 嗚呼!語り尽くせない。私この短編集に原稿用紙千枚の感想文書けます。

2013/11/07

ひめありす@灯れ松明の火

もう、お別れなのだ。殺すこともなく。愛しあうこともなく。ああ、あの少女とは永遠にもう、 お別れなのだ。それはまだ私達の頭の中と現実が、一繋がりであった頃の物語。考えている事と現実は直結していて、思考と歩行は同じ直線状にあった。このままずっと、同じ道を歩んでいけると思っていた。その進む道の先に切り立った崖があるのか、黄金郷があるのかわからない侭に。空想の弾丸で世界を撃ち抜けると信じていたし、恋は地獄だった。そんな時代とは、もうお別れなのだ。かつて少女であった者たちの物語は続いていく。この道の果て、まっすぐに

2014/02/15

風眠

骨壺の中に眠る男の目線で描かれる、妻と愛人の静かな丁々発止が演劇的な『このたびはとんだことで』。あの読書クラブのパイロット版『青年のための推理クラブ』。ほとんど理解不能な男女の愛を描いた『モコ&猫』、脂取り紙を食べる男の偏愛に驚愕。現代に生きる吸血鬼の悲哀を描いた『五月雨』。キャリアウーマンと老人、アパートの隣人同士の交流を通して、ひとり生きることの気楽さと難しさを描いた『冬の牡丹』。そして日本版スタンドバイミー『赤い花犬』。切なくてコミカルで、愛らしくて哀しい、桜庭一樹の魅力がぎゅっと詰まった短編集。

2014/02/02

あつひめ

こうして桜庭作品を読み進めると、これが同じ作家さんから生まれた作品なのか?と思ってしまうほど場面が違う。このたびはとんだことで…とモコ&猫。でも…読んでいると違和感がなくなってしまう…不思議な感覚。引き出しのなかにゴロゴロとたくさんの人を隠しているような桜庭さん。表紙の一本道が前から気になっていてやっと読めた。小説と表紙も合わせて作品なんだな。

2014/02/05

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