泣き童子 三島屋変調百物語参之続
泣き童子 三島屋変調百物語参之続 / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
『天に在りては、願わくば比翼の鳥と作り、地に在りては、願わくば連理の枝と為らん』白居易の詩を借用致せば『宮部作品に在りては、願わくば比翼連理の読者と為らん』未来永劫は無理にせよ、生有る限り添い遂げたいものでございます。まず驚きは表紙の題字。京極夏彦氏の筆跡は感嘆の一語にございます。さて六話収録中、最も哀切で衝撃的なのは表題作でございました。けれど私が最も気に入りましたのは「小雪舞う日の怪談語り」ことに身重のお関が、この世に戻るための代償‐お関ならば十年、お腹の子ならば一年の寿命の支払いを求められた→
2013/07/12
きりこ
神無月の亥の日の炬燵開き、霜月のねずみ祭りなど愉しむ新太やお勝などおちかの周囲の人々の姿が微笑ましく、歳時記のようで風情があって和みました。新たに冬奉公をはじめたおえいとおこぼさんの綿入れの話が心温まって一番好き。山津波にあって一人だけ生き延びて後ろめたいとか済まないと思い続ける「くりから御殿」は現代にも通じる話で切ない。亡くなった人に再会したいという想いがあるからか、生者と死者の双方を客に、望み望まれるものを売り買いする商人の話「節気顔」の数奇な運命を辿る春一の身の上は哀しいけれど心に残りました。
2014/03/08
Tanaka9999
シリーズ3冊目。なんとなく前2冊よりも安心して読めたような気がする。 そんなに怖い感じではなかったかな。
2018/04/19
みっちゃん
図書館の順番が来るのを心待ちにしてました。会いたかったよ、おちかちゃん!どの話も粒揃いで、語り手の話にあっという間に引き込まれ、先へ先へと進みたくなります。でも、残り頁が少なくなると、勿体無いような…圧巻は表題作でした。何という因縁の恐ろしさ、業の深さ!衝撃でした。非情な迄に筋を通すのも宮部作品の醍醐味ですが。青野の若先生もお元気そうで良かった。どうか、おちかちゃんと幸せな結末になりますように、お願いします。
2013/10/30
Shimaneko
相変わらずの安定っぷりで、ぐいぐい読ませる三島屋シリーズ三作目。前の二巻よりどろどろ具合が濃いめな分、人の生の切なさ・哀しさも深くて、一話ずつじっくり読了。『まぐる笛』にはどでんしたよぉ。
2014/05/24
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