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王になろうとした男

王になろうとした男

王になろうとした男

作家
伊東潤
出版社
文藝春秋
発売日
2013-07-29
ISBN
9784163823201
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王になろうとした男 / 感想・レビュー

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hiace9000

敗者の目線から戦国の野望を描いた『国を蹴った男』。本作では信長と運命の歯車を噛み合わせてしまった男たちの生き様を、独自の解釈と創作で描き出す。「その手もあったか!」とお楽しみ要素満載の"本能寺の変ミステリー"は、この伊東編も抜群の読み応え。黒幕をそこに⁉︎の説得力は、さすがは歴史小説の旗手たる伊東さん、戦国史の隙間を明察する独創性と、人選と人物配置の妙、その巧さに唸らされる。彌介視点の表題作も面白い。「信長で描かず、信長を描く」という離れ技ー、五人の男の生涯がより一層一人の男、信長を鮮明に物語るのである。

2022/11/30

遥かなる想い

信長の家臣団の視点から 信長を描いた短編集である。信長の圧倒的な存在感に怯える家臣たちの疑心暗鬼が やがて 暴発へと繋がっていく様が面白い。信長とは 一体何だったのか… 長編で描くとどうなるのか…そんな短編集だった。

2021/10/27

ナイスネイチャ

図書館本。面白かった!!信長を取り巻く家臣たちの様々な短編集。「小才子」の本能寺の変の黒幕や「王になろうとした男」での信長の思いなど著者の創造ではあるがかなり凝った内容でした。

2014/06/21

ガクガク

伊東潤初読。信長の家臣たちを主人公に描く連作短編集。信長という「日本の王」になった希代のカリスマのもとで心酔する者、恨みを晴らそうとする者、近くに仕えながらも我が道を行く者。様々な家臣の生き様を通して、信長自身とその時代を鮮烈に切り取って見せてくれる。完璧な下剋上の時代に自分の「居場所」を生き抜いた新助、アフリカ奴隷として数奇の運命をたどる彌介の話などが良かった。この時代に武士であることは、毎日が生死の分かれ目の連続なんだなとつくづく思う。たとえタイムスリップしても絶対に信長の家臣にだけはなりたくない。

2014/01/30

藤枝梅安

「オール読物」に不定期に掲載された、本能寺の変前後の信長の家来たち描いた5編をまとめた1冊。初めの2編は、塙直政と毛利新助のそれぞれの視点で書かれており内容の重複が多い。策略を駆使して出世した直政と愚直に職務を全うした新助を対照的に描いている。3編目は荒木村重、4編目は津田信澄が主人公。そしてタイトルになっている5編目は、アフリカで買われ、信長に献上されたアフリカ人奴隷が主人公と言う異色作。本能寺の変は秀吉が黒幕だったという説は最近では珍しくないが、それに翻弄される人々を巧みに描いている。

2013/10/10

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