名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話
名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話 / 感想・レビュー
ひらちゃん
何もかも歯車が合わず俯いてしまう日もある。逆にいい事ばかり重なる日も。茜も伊与太もお吉もそれぞれの道を悩みながらも歩んでいく。北斎とお栄が登場して嬉しいなぁ。涙する日もあったけど、龍之進ときいの子供が幸せを運んできた。こんな終わり方は嬉しくて頬が緩む。
2019/01/23
ぶんこ
伊三次さんの子供世代が主人公になってきましたが、平吉を探そうと頑張るところなど、いかにも伊三さんで、ホッコリします。 今回の中では、九兵衛さんが裏長屋の両親と長屋連中との生活を思い浮かべるシーンが一番共感を覚え、ジ〜ンとしました。 よそ様の力で床店の主となるより、親子が誰に気兼ねもなく、自然体で暮らせるのが一番。 本当にそう思いました。 我儘意地っ張りお嬢だった茜さんが、松前藩に奉公に出てからの様子が判り、苦労を重ねて、お世継ぎ騒動に巻き込まれそうな展開。 まだまだ予断を許さない状況です。
2015/05/08
baba
鯔背な伊三次と粋なお文もすかっり子どもの心配をする年齢になり、息子の伊与太は歌川派の絵師に弟子入り、お吉は髪結いの修業に頑張っている。不破家の茜は松前藩の行儀見習いの奉公先でお世継ぎ争いに巻き込まれ、心配する伊与太と茜の二人に成長を感じます。何気ない日々、名もなき日々の有難さが胸に響きます。
2014/03/11
天の川
伊三次とお文の恋を見つめていたのが、いつのまにか伊三次や不破様の子ども達が成長していく様を見つめるようになっています。この巻はそれぞれに転機が訪れているよう。師匠が見つかり絵筆の道が開けそうな伊与太、女髪結いに歩みだしたお吉、立会い出産(?)をはたした龍之進、茜の立場が辛く、切ない。思わず声をかける伊与太。その一言に涙を流す茜。どうぞ、茜に良き明日が来ますように…。平吉を捜す伊三次、赤ん坊に語りかける不破様…第一世代の人々の年輪を刻んだ言動にも熱いものがこみ上げてくる巻でした。
2014/04/04
万葉語り
再読。シリーズ12作目。伊与太が茜に声を掛ける場面、そのあと茜が嗚咽をこらえて泣く場面。きぃのお産で龍之進が居ても立っても居られずきぃを支えにいく場面がよかった。また不破友之進が生まれたての赤ん坊に挨拶する場面は喜びが伝わってきた。2016-78
2016/03/23
感想・レビューをもっと見る