その峰の彼方
その峰の彼方 / 感想・レビュー
雪風のねこ@(=´ω`=)
予想外に長く感じられる物語であった。殆どが津田の救出であったし、津田が冬季単独登頂に挑んだ理由も中々明らかにされないからだ。それでも難渋苦渋する救出は手に汗握るし、情景の描写も多く朧気ながらもどんな様子であるのか思い浮かべる事が出来る(ガイド達が饒舌過ぎるような気もするけれど)意識不明の津田に合わせて、これまで不明瞭だった登頂の様子を描く構成は素晴らしいと思った。人々はより生き延びる為に自然を隔離し社会を創った。しかし同時に生きる意義を失ったのあった。(続く
2016/11/20
koba
★★☆☆☆
2014/04/05
ガクガク
「人生の意味」をより困難な登山に求め続ける孤高のクライマー津田悟が、「最後の挑戦」として厳冬期の単独登攀に挑んだ北米最高峰マッキンリーで消息を絶った。荒れ狂う吹雪と雪崩を突いて捜索に向かうガイド仲間、日本から駆けつける大学時代の親友吉沢とOB高井、生還を信じる身重の妻祥子と精神的師のインディアン・ワイズマン。絶望と希望の状況が刻々と交錯する中、果たして彼は救われるのか? 自分がなぜ生きるのかその答えを「その峰の彼方」に求める男の魂の山岳彷徨小説。登山描写は最高に素晴らしいが、登場人物がいささか饒舌過ぎ。
2014/05/05
キムチ
「還らざる」に感動し、笹本氏を追い始めた。「春を」は期待に添って楽しめた。で、これはう~んだった。確かに山を愛する、取りつかれる人種は多いし、それだけの感動を与えてくれる。かくなる私も仕事上のスランプをかなり救ってくれた。そんなゴミみたいな山愛好者だからかもしれないが、このボリュームを持ってして感動はなかった。感動の大安売りは好きでないが、筆者は何かしらを与えんとして執筆したのだと思いたくて、延々と読み続けた。夢枕氏の「神々の」も凄いボリューム・・でも一枚一枚丹念にページをめくる感情は途切れなかった。
2014/04/07
それいゆ
植村直己さんがマッキンリー登頂後、下山途中で遭難したときの状況を描いたのがこの小説なんだなあ!という思いで読みました。結末をあそこまで引っぱらなくてもという気もしますが、消息を絶った津田の魂の叫びを表現したかったのだということで納得しました。
2014/02/01
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