昭和天皇 第七部 独立回復(完結篇)
昭和天皇 第七部 独立回復(完結篇) / 感想・レビュー
ぐうぐう
『昭和天皇』最終巻は、終戦、マッカーサー進駐、人間宣言、新憲法公布と、日本における歴史的転換が綴られている。福田和也は、その重大な出来事に対峙した裕仁を、君主として、あるいは人間として、多面的に描こうとする。マッカーサーとの初めての面会で、マッカーサーが勧めたアメリカ製のタバコに震えながら火を点けたこと、東京裁判が開廷し、しばらく精神が不安定になったことを赤裸々に描写しつつも、木下侍従次長に対して「負け惜しみと思うかもしれないが、敗戦の結果とはいえ我が憲法の改正も出来た。(つづく)
2017/08/03
Char
数年掛けて読み進めてきた本書もついに最終刊へ。終戦直前、終戦後のデリケートな時期のためか、著者もなかなか文献を見つけられなかったようで、「彼の人(昭和天皇)」にまつわる話というよりも、その周辺で起きていく東京裁判やマッカーサーのことなどが中心に。 先日NHKスペシャルでも、現人神だった彼の人が、人間宣言を経て、国民と接するには彼の人に相当なご苦労があったであろうということを解説していて(かつ映像も残っていて)、それに比べるとやや深掘りできてなかったかな。それでも全7巻はなかなかの迫力で良かった。
2015/08/25
Ohe Hiroyuki
我が国がサンフランシスコ講和条約の締結を経て主権を回復したところで本文が終わる。本シリーズは「歴史物」の一つと捉えてよいだろう。文体も平易で読みやすい。 タイトル通り昭和天皇を「見せる」ことにこだわったものであり、著者が見せようとした昭和天皇は良く分かった。自分が臣下の身であれば、考えされられることも大いにある所が正直なところだ。 私たちが未来を見据え「さて、どうしたものか」と問えば、私は「帝王学と地政学、そして運命の話なのではないですか」と答えるだろう。 ようやく1年4か月をして通読が出来た。
2015/07/21
ak11
気になった言葉 「日本人が大正から昭和の初めにかけて国のためより私事を思って自分勝手をしたため今度のような国家総動員戦に勝つことができなかったのです」
2015/05/17
フンフン
08年に第1部と第2部が同時発行され、以来、年に1冊ずつ刊行されて来た昭和天皇伝、第6部が12年に出たあと、第7部がなかなか出なかった。練りに練って書き上げたのかと思いきや、どうも細切れのエピソードを盛り込みすぎた感あり。登場人物について予備知識がなければ話しの筋を追いかけるのも困難だと思う。
2014/06/28
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