晩鐘
晩鐘 / 感想・レビュー
パフちゃん@かのん変更
佐藤さんは90歳まで生きます。という言葉で88歳だった佐藤愛子さんは「あと2年しかない」と思い、書き始めた元夫にまつわる話。ほぼ実話なんでしょうね。無茶苦茶の元夫。愛子さんも無茶苦茶な人だと思うけれど、元夫の借金4000万くらい?を払う義務もないのに払い続け、元夫は「方便のための偽装離婚」と言って籍を抜いたくせに、ちゃっかりほかの女を籍に入れていた。しかもその女の財産も吸い尽くしたのだから何をかいわんや。時代もあるだろうし、作家という仕事柄もあるだろうけれど、ほんと無茶苦茶な人たちだと思う。すごい。
2021/08/04
これでいいのだ@ヘタレ女王
佐藤女史最後の小説になるだろう。別れた2番目の夫 田畑麦彦《文中は仮名》との思い出、何とか元夫を理解しようと書いたもののようだ。90歳とは思えぬ文章力だが、時代が何度も前後して読みづらかった。ここまで書くなら最初の夫との離婚、置いてきた息子2人の事など、全てを曝け出した作品にして欲しかったなぁと個人的に感じた。
2015/07/12
Ryuko
老作家のもとに届いた元夫の訃報から物語は始まる。文学を志す理想家、金に頓着しないお人よし、商才のない事業家、ぼんくら夫、そして、明るい詐欺師。元夫のいろいろな面が語られる。「戦いすんで日が暮れて」にある必死さゆえのおかしさは影を潜め、悲哀が色濃く漂う。「くり返し同じようなことを書きながら、私の中にはその都度、違う根っ子がありました。」とあとがきにある通り、愛子先生の気持ちも変わっていったからだろう。ご本人は最後と言っているが、まだ書いてくれそうな気がする。(希望をこめて)
2017/05/26
ふみ
物語は少しずつ振り幅を小さくしていく。遠く遠く聞こえる鐘の音。
2017/05/09
愛 飢男
佐藤愛子さん、初読み。相性悪かった。梅津玄という人への手紙という方式で小説は進む。 主に離婚した畑中辰彦の事を延々と綴り、いささか閉口気味。憎しいのか未練があるのか、そんな揺れ動く複雑な女心を描きかったのか私にはどのように感じていいのか分からなかった。 結局何を言いたいの? 後味の悪さだけ残ってしまいました。
2016/04/15
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