アンブラッセ
アンブラッセ / 感想・レビュー
優希
大人の小説という感じでした。妖しくも優しい甘美さが漂います。体と心が記憶する快楽の中で疼く想いに男女は溺れ、生きていくのでしょう。不思議と不可思議を残し、夢の中にいたような感覚にさせられる物語。色々な景色を見せながら、はっきりとした結論はぼやかしているので、ぼんやりとした靄の中に取り残される気がします。それが読者に想像を委ねる醍醐味といったところでしょうか。大人の関係、不気味な物語、結末を考えさせられる物語など、昔と毛色が変わってもやっぱり著者ならではの作品だと思わずにはいられません。
2015/03/29
takaC
─ 月曜日の朝、幸一はいつも通りオフィスに姿を見せたか、どうか、それとも大きな鯉となって山の湖深く泳いでいるか、どうか……あなたはどちらを信じますか。 ─ きっと「鯉」だな。
2015/08/02
けんとまん1007
やっぱり、阿刀田さんはショートの名人・達人だ。どれもこれも、さりげなく仕掛けがちりばめられている。それをどれだけ感じられるかが、楽しみの一つでもある。それにしても、なんと現役作家としての期間の長い方だろうと思うし、阿刀田さんの声も思い出した。ふとした時に、読みたくなってしまう作家さんの一人だ。
2015/04/10
さら
分かったような分からないような、まるで夢だったかのような読後感。ああ、阿刀田さんを読んでる!と実感。 この短編集の話の半分は、もしかしたら私の解釈とは違っているのかもしれませんが、読者の想像に委ねるという読書の醍醐味を味わわせてもらっていると思えば、それでいいという気がしています^^ いつも何かしら不思議と不可解を残してくれる作風は今も変わっていないと安心しました。 『赤い月の夜に』は、これから月夜の影が気になりそうで怖いです。
2015/03/09
HiroshiKzk
大学時代に友人と貸し借りして数冊読んでいた作家さん。それぞれ読ませる短編集は年を重ねられてもすごい作家さんだと再認識。ただ学生時代に読んだ数冊がまったく思い出せません。すみません(^_^;)再読してみようか
2015/07/31
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