オールド・テロリスト
オールド・テロリスト / 感想・レビュー
starbro
前回のエッセイ「ラスト・ワルツ」は老い過ぎでしたが、やっぱり村上龍は小説という感じがします。560P超一気読みしました。最後は少し尻すぼみでしたが、村上龍の特徴(変態性、国際金融・政治情勢、テロ、海外の薀蓄等)を散りばめ、後期の代表作と言っても良さそうなパワーのある作品です。
2015/07/22
Yunemo
「55歳のハローライフ」以来の著者作品。表紙に惑わされて!本著、手に取った際と読了後、感覚がまるで違います。「キニシスギオのグループ」いわゆる老人たちが、主張する場、もっと活躍の場を与えて欲しかったかな。いつの間にか、セキグチと正体不明のカツラギのコンビが中心となりすぎた気配。後期高齢者が日本を変えようと立ち上がる様子が読み取れずに四苦八苦。前半のそれぞれの立ち振る舞いと何の説明もなく後半のギャップ差がありすぎたかも。あまりに重くなりすぎて、自身の感覚マヒ状態。何だか、突き放されて読了させられた不思議感。
2015/09/22
morinokazedayori
★★★テロの描写がリアルで臨場感に溢れ、気分が悪くなる。セキグチの虚無感とカツラギのたおやかさの描かれかたが見事。老人たちがテロを起こそうと思わない理想とする社会と今の社会との差は何なのかと、考えさせられた。
2016/01/07
優希
面白かったです。老人たちの暴走に巻き込まれて行く神経衰弱状態にある記者のセキグチ。後期高齢者たちが日本を変えようとテロへと走る様子には強い生命力を感じました。セキグチら中年は奮起した老人たちにどう立ち向かうのか。グイグイ引き込まれる展開の中に見たくもない現実がリアルに織り込まれています。理想とされる社会、そして現実。何故オールドテロリストが生み出されるのか考えさせられました。リアルな時代を見せつけられているようです。エンタメとして成立させながらこの世界は狂っていない肯定性を表明していると思いました。
2016/01/15
kishikan
村上龍さんは、春樹さんほどじゃないけどそこそこ読んでいて、でもはずれがないというか、面白いというか、結構心に残るものがあって、この本もそうだった。この本は近未来という設定で、社会に反旗を翻すお年寄り達の物語だけど、どこか伊坂風だなと思ったのは僕だけだろうか。伊坂と異なるのは、政治や経済的の話も交えて描いているからで、そこら辺は「カンブリア」に出演したり、JⅯⅯの主宰者たる面目躍如といったところ。「希望の国のエクソダス」とのリンクもあるけど、お年寄り達によるテロが何を目指しているのかが分かりにくく、残念。
2015/08/18
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