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さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ

作家
窪美澄
出版社
文藝春秋
発売日
2015-05-28
ISBN
9784163902562
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さよなら、ニルヴァーナ / 感想・レビュー

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starbro

窪美澄の新境地でしょうか?今までの作品よりも重さを感じます。18年前の事件を何故今取り上げるのか著者の意図は良く理解できません(最近少年Aの手記が出版されたからでしょうか?もしかしてメディアミックス)が、衝撃的な事件は関係者だけでなく、周囲に大きな影響を与えるんだろうと思います。少年Aの心境にはかなりリアリティが感じられ、半分自伝的な小説は読みがいがありますが、今後、窪美澄はどの様な方向に進んで行くのでしょうか?

2015/06/13

ミカママ

もちろんフィクションなんだけど、どうしてこれをモチーフにしちゃったかな、窪さん...。良くも悪くもモチーフが話題になることは、覚悟の上だったと思いますが。娘を殺された「なっちゃん」とその家族のストーリーを読むのがキツかった。彼らには前を向いて歩いて行ってもらいたいです。窪さんは、作品中に出てくる作家希望の女性に自分を重ねたのかな。ラストまで重い作品でした。

2016/02/16

風眠

あくまでもフィクションであるはずなのに、どうしても神戸の少年A事件と重ねてしまう。山奥で自給自足してたカルト宗教もそうだし、地下鉄のあのカルト宗教もそう。あまりにも実在するものと被り過ぎて、どう感想を書いていいのか分からない。この物語には、窪さん自身を投影したと思われる作家志望の女性、少年Aに恋した少女、被害者の母親、そして少年Aの四つの視点がある。人間の心の不確かさ、複雑に歪む感情。そういう人間と社会の中身を見つめ、本気で闇に向き合いました、批判は想定内です、という作者の意図が見えてしまい釈然としない。

2015/10/09

ウッディ

女児惨殺事件を起こした少年Aを崇拝し、恋した少女と少年Aに娘を奪われた母親は、彼が暮らしていると噂される街で、出会ってしまう。そして、作家になる夢をあきらめ、故郷に戻り、病弱の母と妹の子供の面倒を見る女性、それぞれの歪な心を描きながら、物語が展開していく。辛い過去を乗り越え、互いをいたわりあう被害者家族の家を莢が訪れるシーン、殺された光が生きていて、実家に帰ってきたような錯覚を覚える父、母そして弟の温かい涙が印象的だった。美化された少年Aのその後、作家とその妹とのバトルなどは、必要だったのだろうか?

2021/07/26

めろんラブ 

読中、想いが湧き上がり、内容に集中し難かった。その想いとは、多くの方も抱いたであろう「何故この題材を?」。本書出版のすぐ後に、”本物”の手記の出版騒動もあり、否応なく蘇る当時の心境を重ね合わせての苦しい読書になった。露悪的な手法を用いて人間の本質に迫ろうとするのは、窪作品のひとつの特徴のように感じる。本書では、「少年Aに小説の材を求める女性作家」という存在、またそれを描く窪さん自身に露悪を見てしまい、本筋を冷静に捉え切れないまま読了。当事者でもないのに傷ついて、そんな己の傲慢さに嫌気がさした。

2015/07/18

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