フォアビート・ノスタルジー
フォアビート・ノスタルジー / 感想・レビュー
ひとひら
★★石原慎太郎、初読み。なるほど、こういう人でしたか。かなーり回りくどい形容詞に形容詞を重ねた説明過多な文体と主人公は46歳?くらいなはずなのに『~いくまい』とか、「きている」を『きてい』と止めたり『~そうな。』とか。おじいちゃんじゃないんだから…。違和感とクセが強すぎて読み進むのが難しかった。内容も何が言いたいのかわからない。捻りもない結末。私には、その奥にある深みがわからない。
2015/09/23
りょうけん
<転> 今(2020年秋)から5年ほど前の作品. 今まで僕が読んだ著者の本の中で一番沢山の文字が紙面に詰まっている作品。つまり「会話」が少なく状況の説明が多くしかも改行をほとんど行っていない。 改行を多く行うとそれはもう少ない原稿で本は出来上がる。その代表例が著者石原慎太郎だと僕は思っていた。そしてその結果として本は薄くてとても読みやすく割と好印象だった。(夢枕獏 にはかなわないか(笑)う)
2020/09/26
田中峰和
「太陽の季節」を引きずる太陽族がどんな70年代を送っていたのか。海がありヨットがあり、美しいが度しがたい彼女に憧れる世界。それは石原にとってのノスタルジーであって、普通の読者には響かない。冒頭、通夜に集まったのはカジノの仲間たち。カジノ好きの石原らしいシーン。純愛小説とは名ばかりで、80歳にしてこれだけしつこく性描写を描く老人に驚く。作品名のノスタルジーとは老人石原の性と残りわずかな生への郷愁なのだろう。かつての恋人への想いと20歳年下の彼女への肉欲の間を彷徨う50歳の独身男。身勝手なノスタルジーだ。
2015/09/10
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