竈河岸 髪結い伊三次捕物余話
竈河岸 髪結い伊三次捕物余話 / 感想・レビュー
いつでも母さん
とうとう読了してしまった。今回もどの話も良い!『幻の声』から伊三次・お文と共に市井に活きた年月だった。次の世代に話は移るのも生きていれば当然の流れで、それでもお文姐さんはお文のままで嬉しい限りだ。伊三次の遺伝子を伊与太は受け継いでいるのだから、茜との今後に思いを馳せたい。八丁堀純情派と過去に経緯のあった次郎衛を龍之進の小者にする件は、彼の面々が成長した証だろう。相変わらずのいなみときいは、らしいし(笑)連載が3話有るとの事、どんな形で私の元に届くのだろうか、ファンとしては心して待ちたい。
2015/11/28
Shinji Hyodo
表紙の絵はどのシーンだろうか?運河を隔てた男と女…「車軸の雨」のおのぶと次郎衛の姿かな。表紙を開くと着物の袖で顔を覆い泣く女…遠く離れた伊予太から受け取った絵を見て嬉しさと寂しさに堪え切れずに涙を流す茜の姿なのだろう…きっとそうに違いない。伊予太は訳あって江戸を離れ信州に旅立ったのだ。伊予太と茜の二人が再び出会えるのは何時になるのだろうか、夫婦になる日が来るのだろうか?想いは尽きない。
2016/06/18
ALATA
懐の深さは親譲り、新たに小物を持つことにこだわる龍之進。おめず奥せず、はっきり自分の意思を貫くきい。ほの苦く、ほの甘く、小布施から届く伊与太からの便り、謎掛けに涙する茜。そして表紙に伊三次とお文の姿が・・・。茜色に染まる江戸人情話、鮮やかでした。 ★5※次郎衛、おのぶの邂逅「車軸の雨」が良かった。太く激しい雨は二人の悩みを綺麗に流してくれるだろうか?
2024/05/24
ぶんこ
大好きなシリーズ、やっと読む事ができました。何だか親しいご近所さんの近況を読んでいるような気持ちです。 世代が子供世代に変わっていて、伊三次さんの出番は殆どありませんが、伊与太さんと茜さん、きいさん、皆懐かしい。江戸の町で分相応に暮らす市井の人々を、穏やかに地味に描く才能は宇江佐真理さんならでは。最後の一冊を読むのが待ち遠しいです。
2016/04/05
星落秋風五丈原
物語の主役はすっかり不破家へ。龍之進がかつての悪党を使いこなすような大人びた所を見せる一方茜は伊与太と切ない別れを。宇江佐さん縁の松前の絵師も登場してきてこれからが楽しみだった。二人をどうするつもりだったのだろう。
2016/01/21
感想・レビューをもっと見る