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ムーンナイト・ダイバー

ムーンナイト・ダイバー

ムーンナイト・ダイバー

作家
天童荒太
出版社
文藝春秋
発売日
2016-01-23
ISBN
9784163903927
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ムーンナイト・ダイバー / 感想・レビュー

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starbro

天童荒太は新作が待ち遠しい作家の一人です。数多の作家が東日本大震災をテーマに書いていますが、本作は天童荒太でなければ書かなかった題材だと思います。東日本大震災関連の作品としてはマイベストです。震災は大分風化した感がありますが、こういう佳作が読まれることで胸に刻まれるんでしょうね。また直木賞受賞作『悼む人』に通ずる物を感じました。著者は寡作ですが、次回作には久々の長編を期待しています。

2016/02/13

ナイスネイチャ

図書館本。震災から5年たった福島原発近くの街で立ち入り禁止の海に潜り、流された遺品を拾い遺族に返していく主人公。生き残った自分は幸せなのかと苦悩の日々を過ごす毎日。海に潜る度、生きていることを実感する主人公。ものすごく重いテーマで胸が締め付けられる内容でした。

2016/02/25

まちゃ

「3.11後のフクシマの海」で月夜に非合法の遺品引き揚げを行うダイバー・舟作。非合法と知りつつ彼らに引き揚げを依頼する遺族たち。あの日、身近な人を失った喪失感と自分が生き残ったことへの罪悪感。「生きること」、「人を愛すること」について考えさせる物語でした。3.11のあの日とそれに続く原発事故を忘れないように。

2016/03/28

紫 綺

未だ震災の後処理に悶々とする光のエリア、福島原発。その沖合い、月の光が煌々と照らす海底で、不特定の遺族のため、違法に遺留品を探すダイバー舟作と漁師の文平。死はいつでも傍にある、そして生かされていることに気付く。深として感慨深い一冊。

2016/03/26

おしゃべりメガネ

う〜ん、さすが天童荒太さん、圧巻でした。ボリュームはさほど多くはないのですが、内容は天童さんの書き綴る独特な世界観が、これでもかというくらい堪能できました。天童ワールドだけに、お世辞にも決して明るいとは言えませんが、普通の作品、作家さんでは読むことのできない作風だなぁとズシッと感じることができます。題材が独特であり、タイトルの意味がなるほどとなるハマり感が絶妙です。震災を扱った作品が少なくない中で、確固たる地位をおさめる貴重な作品であることは疑いようがありません。久しぶりの天童さん作品を堪能できました。

2016/03/11

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