髪結い伊三次捕物余話 擬宝珠のある橋
髪結い伊三次捕物余話 擬宝珠のある橋 / 感想・レビュー
いつでも母さん
嗚呼、これで仕舞いなんだねぇ・・当たり前に生きていくことの色々をこのシリーズを通して教えてくれていたねぇ。だから宇江佐さんの訃報さえも生きていくうちの『一つ』としてわっちは受け入れなきゃならないんだねぇ。なんだか寂しいけれど、おまんまは食べてきゃならないし、あれやこれや浮世の義理もあるからねぇ。せめて、来世でももう一度伊三次とお文たちに会わせて貰いたいねぇ・・
2016/04/08
Shinji Hyodo
廻り髪結いの職人で、奉行所同心の小者としても活躍する伊三次。伊三次の恋女房で元は深川芸者のお文。北町奉行所臨時廻り同心の不和友之進と息子の龍之進。伊三次の息子の伊与太も不和の娘の茜も随分と成長し二人の行く末も見届けたかった。龍之進も妻を娶り、生まれた息子の栄一郎の成長も見たかった…不和の家族と伊三次の家族でお伊勢参りに行こう…なんて話しもあったのになぁ…どんなにか賑やかでほのぼのと愉快な旅になったであろうに、全てが叶わぬ夢となった…哀しいなぁ´д` ;
2016/06/28
ひさか
2016年3月文藝春秋刊。オール讀物2015年6、8、10月号掲載の3つの短編と2014年10月刊行の文春文庫書下ろし長編、本の話2014年2月号エッセイ1編を収録。帯に「髪結い伊三次、最終話」とありました。エッセイ以外は、オール讀物と文庫で既読でした。二度めでも、表題作の「擬宝珠のある橋」なんかを読んでいると胸にグッとくるものがあります。いいなぁ。エッセイには、宇江佐さんらしい心意気が、見えて楽しいです。
2016/06/15
ぶんこ
大好きだった伊三次シリーズ最終巻のようで、伊与太と茜のその後がわからないままなのが切ない。それでも出番が少なくなっていた伊三次とお文が出てきて、娘と3人でお蕎麦屋さんに行った場面が印象的だった表題作「擬宝珠のある橋」が読めて嬉しかったです。龍之進ときいが主役のそれぞれの短編も良かったです。やっぱり優しい男性が出てくるお話はホッとします。多くの作品で楽しませていただいた事に、改めて感謝の念でいっぱいになりました。
2016/08/18
ひらちゃん
とうとう最終巻を読んでしまいました。未完だそうですが、そう感じさせないのは、読み手がもうこれで最後と思って読んだからでしょうか。伊三次が主人公であったはず。でも時は流れ、登場人物たちの話しへ進み、皆歳を重ねて。だからここで終わったとしてもそれでも良かったと思えます。「月は誰のもの」では、それぞれのあの時の思いが丁寧に描かれ感無量です。またきっと読み返したくなるでしょうね。宇江佐先生のご冥福を心からお祈り致します。
2019/03/30
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