横浜1963
横浜1963 / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。歴史小説じゃない伊東作品。戦後十数年たった米軍基地周辺で起こる殺人事件。事件解決に奔走したのは見た目白人ハーフのソニー沢田。米軍の壁、白人博愛などを乗り越えて捜査していく。今の沖縄米軍問題やアメリカでの白人警官による黒人射殺事件など起こってるのを考えると今も変わらないのか?と思いました。
2016/07/12
starbro
伊東潤は、新作中心に読んでいる作家です。著者初のミステリということで期待して読みました。舞台はタイトル通りの横浜、1963年です。主人公はハーフのイケメン警察官と面白そうな要素が揃っています。当時の横浜の雰囲気を想像しながら、テンポ良く読了。それなりに楽しめましたが、やっぱり伊東潤は歴史小説の方が良いかも知れません。歴史ミステリという手もあるかなぁ!
2016/07/07
yoshida
東京オリンピックを控えた横浜での連続女性殺人事件。事件は米兵の犯行の痕跡が残る。日本人と白人のハーフである神奈川県警の刑事・ソニーは事件を追う。米軍の犯行を裁けない日本側の諦感。米軍SPの日系人ショーンはソニーと事件を追い、米軍佐官に行き着く。単なる推理物ではなく、現在も続く米軍の治外法権や、見え隠れする白人至上主義、米国の振りかざす一方的な正義の押し付けを描き興味深く読める。また、米国の支配を受け続け、国防を米軍に依存し経済成長のみを目指す日本の節操のなさも描かれ好感が持てる。現在も続く問題を問う良書。
2019/05/12
いつでも母さん
伊東さんの現代ものは初めてだった。犯人はなんとなく想像出来たが、何より当時の日本を横浜を感じての一気読みだった。私が生まれ数年のことなのだが、敗戦国・日本、そして日系三世とハーフの葛藤を巧く描いていると思った。『戦争に正義はあるかー戦争に雨の日も日曜日もないー』全くだ。何処の国にも善人と悪人はいる。それは今も変わらない。オリンピック前の喧騒。はて、すぐ2020東京オリンピックが開催される。そこに熱を感じることが出来るか?それより腰を落ち着けて取り組むことがあると思うのは私だけではないはず・・
2016/08/03
ゆみねこ
50年前の横浜を舞台にハーフの警察官・ソニー沢田の殺人事件捜査を描く。外見は白人のソニーと日系三世の米兵ショーン。伊東さんの現代物は初めて読みましたが、中々良かったです。
2016/07/28
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