「戦争」を語る
「戦争」を語る / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
奉安殿と呼ばれる建物を設置して、中には教育勅語とご真影が丁寧に保管されていました(34頁)。戦争の最末期に、実際に皇居前で腹を切った人がたくさんいます(55頁)。原爆被害の実態を伝える報文として長田新編『原爆の子』岩波文庫、永井隆編『原子雲の下に生きて』アルバ文庫 は今でも読む価値があります。峠三吉『原爆詩集』、栗原貞子『生ましめんかな』は若い人に。ショックを受けたのは、川上郁子『牧師の涙』長崎文献社(75頁)。改めて、立花先生のご冥福をお祈り申し上げます。
2021/06/23
matsu04
戦争、ことにヒロシマ・ナガサキのリアルな実態を今伝えていくことの大切さを立花隆が訴える。第4章は異例の立花家による座談会。
2016/08/01
DEE
戦争を体験した人たちが、それほど遠くない将来にいなくなる。自ら北京で終戦を迎え、戦後の焼け野原で少年時代を過ごした著者が、危機感を持って戦争を記録しようとする試みの一環。 戦争が終わっても戦後はずっと続くと自分は思っている。だからどんな形であれ次世代に語り継いでいかねばならない。
2020/12/29
きゅうり
北京からの引き上げは満州に比べ平穏だった。それでもやはり情報がなく小さい子供を連れて不安だったろう。
2021/09/04
trazom
立花隆さんの最近の本は、少し安直。この本も、従来の著作の再録と家族の座談会という安易さ。立花隆さんの前半生が、よくわかる。無教会派クリスチャンの両親とともに北京に渡り、終戦後、命からがら帰国した後、原水爆禁止運動に身を投じるが、活動が分裂し対立する状況に失望したことが書かれている。確かに、この本は、単なる私的な体験録であり、私のように立花隆さんを心から尊敬する人間にとって面白いだけなのかもしれない。でも、こうしてパーソナル・ヒストリーを語り継ぐことは、歴史と向き合う手段の一つとして、有意義なことだと思う。
2016/09/19
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