KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

銀の猫

銀の猫

銀の猫

作家
朝井まかて
出版社
文藝春秋
発売日
2017-01-25
ISBN
9784163905815
amazonで購入する

銀の猫 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ナイスネイチャ

図書館本。江戸時代の介抱人を生業とする主人公お咲。男にだらしない母親、別れた旦那に借金を返すなど不憫な人生を送るのだが、隠居生活ながら介抱を行うおぶん、同じ長屋の庄助親子など温かい人たちに囲まれて乗り越えていく物語。今も昔も介護って必要だったんだと感心するもこの時代の大変さが読み取れました。

2017/03/31

いつでも母さん

江戸時代にだって認知症や不治の病はある。家庭環境、世間の目は現在と変わらないんだ。これはバツイチ・お咲の『介抱人』奮闘記。お咲の美貌の母親は家事も出来ずだらしない。しかも前の舅から勝手に借金まで。私ならこんな母親とは一緒に暮らせないが、今日もお咲は借金を返すべく口入屋に通う。介護や看取りまで努める姿はこの先の自分の姿がダブり切なくなる。介護では家庭の事情が見えるし、看取りには逝く人から学ぶ事がある。その中でお咲が感じたことが『往生訓』になる。生き方逝き方は千差万別、お咲は今日も行く。是非続編を!

2017/04/06

星落秋風五丈原

大江戸ヘルパー=介抱人事情。やっぱり江戸時代も3Kだった介護業界。現代より寿命が短かったとはいえ高齢者は隠居したら金だけ残しておとなしくしててね、という願望を感じて自らが介護人になるエピソード良い。佐和に対して素直になれなかったお咲だけど彼女にも幸せが訪れて欲しい。

2023/02/14

ribon

読み易く一気に読んでしまった。江戸時代の訪問介護の話。江戸時代の介護は武家や町人に関わらず家の跡取り(主に男性)の大切な役目だったと知り驚いた。短編八話から成り、認知症や脳梗塞の病人、介護疲れの隣人、ボランティアで介護に関わる隠居などが登場。介護は他人の方が良い場合もある、依頼が終われば不必要に出入りしないなどは現代にも通じるし、お咲の介抱人としての気づきは素晴らしい。現代の介護職と異なり、介抱人は給金が高いというのがとても良いと思う。当時は裕福な家しか介抱人を雇えず、現代の介護保険の有難さを感じた。

2020/04/13

とろとろ

江戸時代に介護のための人材派遣の仕事屋があったという話。そこで指名ナンバーワンのお咲さんから見た江戸時代の介護の様子について、人情話を折込ながら折々紹介していくということかな。現代でもアリだなぁという話が全8篇。お咲とその母親左和の掛け合いが面白い。鳩屋はいったいどれだけ儲けているのかと思うほどお金にはがめつい。久しぶりにちょっと良いお話ばかりだった。いつもぐちぐちと不満を書いているのだけれど今回は言う隙がなかった。こういうふうにアッサリと外連のない話がいちばん合うのかもしれない。作ったお涙頂戴は無しだ。

2017/04/04

感想・レビューをもっと見る