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ネメシスの使者

ネメシスの使者

ネメシスの使者

作家
中山七里
出版社
文藝春秋
発売日
2017-07-21
ISBN
9784163906850
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ネメシスの使者 / 感想・レビュー

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ウッディ

凶悪な犯罪を犯しながら温情判決により死刑を免れた犯人の家族が相次いで殺される事件が起こり、現場には義憤の女神「ネメシス」の血文字が残されていた。司法に挑んだ犯人、そしてその目的とは?とても面白かった。死刑制度の要否など司法の限界について考えさせられるだけでなく、意外な犯人、そして事件が解決してからのどんでん返しも全く予想できず、ミステリとして読み応えも十分でした。何より加害者家族であり、未遂になった3つ目の被害者である菜々子の毅然とした態度と渡瀬警部のやり取りが印象的で、渡瀬警部の他の物語も読んでみたい。

2018/06/03

うっちー

凄い執念。本題の正解はあるのか❓

2017/08/17

しんたろー

『テミスの剣』が中山作品の中でも上位に好きなので、渡瀬が主役の第2弾を大きな期待して読んだ・・・結論としてはほぼ満足なのだが、ハードルを上げ過ぎてはいけないという自戒にもなった。今回は死刑制度の是非を軸にして、重犯罪被害者家族と加害者家族にスポットを当てたストーリーで、意義深い会話に考えさせられつつも、少々疲れるのも事実。重いテーマでもエンタメ色を巧みに織り込む中山さんらしさは感じたものの、前作ほどの意外性がなかったのが残念。(この手の作品は薬丸岳さんの方が上手い?)とは言え、第3弾も書いて欲しい!

2017/10/13

きいたん

またもや難しい問題にぶち当たってしまった。中山七里が今回ミステリーを通して私達に提起するのは死刑制度。死刑廃止の国が多い中、死刑を制度化している日本。死刑は是か?非か?戦後大切にされてきた加害者の人権。それとは逆に蔑ろにされている被害者の人権。そして犯罪の6割が再犯という刑務所の矯正能力の低さ。罪を償おうとする者と罪とすら思わない者。どうすれば良いかはわからないがこのままではダメだということはわかる。渡瀬と岬検事のカリスマ性を十分に味わいながらミステリーを堪能し、司法制度について考えさせられた読書だった。

2017/09/02

だんじろー

中山さんは、しっかりと読者に問題提起してくれます。先進国において、死刑制度を存続させているところはもはや少数派らしいですが、死刑を無くすのなら、その代わり終身刑を設ける必要があると思います。日本の「無期懲役」は決して「無期」ではなく、仮釈放まで最長30年という“満期の相場”もあるらしいです。まあ、終身刑制定ともなれば、当然余計に税金が必要となりますから、簡単には結論が出ないでしょうね。それにしても、難しいテーマをきちんとエンタメに仕上げる手腕はさすがです。

2017/10/02

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