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六月の雪

六月の雪

六月の雪

作家
乃南アサ
出版社
文藝春秋
発売日
2018-05-31
ISBN
9784163908403
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六月の雪 / 感想・レビュー

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starbro

乃南アサは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。最近台湾づいている著者の感動巨編でした。近くて遠い台湾の負の歴史、大国、強国に蹂躙され続けている国での物語でした。犬(日本人)の後に豚(中国人)が来たというのが、象徴的です。そうは言いながら、本書には未來がありました。6月に台湾に行って、六月の雪を鑑賞し、旬の美味しいマンゴーを食べたいなぁ! http://japan.cna.com.tw/search/201506170002.aspx 本書を6月に読めず、本書の発行日が6月ではなかったのが、残念です。

2018/07/13

ウッディ

杉山未來は、怪我で入院した祖母を元気付ける為、祖母がもう一度行ってみたいと口ずさんだ生まれ故郷の台湾の台南市を訪れる。そこは植民地時代に建てられた日本家屋が残る複雑な歴史を感じさせる街だった。六月の雪とは?ノスタルジックな風景と料理を求めて台湾に行ってみたいと思った。なぜ台湾の人が日本に近しい感情を持つかなど、世界の孤児と呼ばれる台湾の悲しい歴史がよくわかった。未來が出逢い、二度と再会することはないだろう人達との集合写真は、その予感通りになる結末が切なかった。面白かったです。

2019/04/07

モルク

祖母が台湾の台南で生まれ育ったことを知らずにいた孫の未來は、祖母が怪我で入院している間にその景色を見せてあげたいと、ひとりかの地に旅立つ。父の知人に空港まで出迎えてもらい案内、通訳をしてもらう、それ以外にも常に人(自分が探し頼んだのではなく)の協力を得て案内してもらい空港まで見送ってもらう、はたしてこれはひとり旅なのか?未來32歳は台湾が以前日本であったことを知らなかったが、私はそれが驚き。若い人は知らない人が多いのだろうか。台湾の旧制中学が甲子園に出たこともあるのに…。

2019/08/06

utinopoti27

あるきっかけで、祖母の生まれ育った台湾へ、祖母の人生を辿る目的で訪れた杉山未來。現地案内役の台湾人との交流を通して、彼女が見た台湾という社会の真実が切々と語られていきます。時の為政者によって蹂躙され続けてきた台湾民族の悲劇と、かってそこに関わってきた日本人の無念の涙が、彼の地には今も遺構として息づいている・・。廃墟と化した日本家屋が建ち並ぶ海沿いに、まるで降り積もる雪のように白く咲き誇るランリーファ。この印象的な光景は、これからの日本と台湾の明るい未来を象徴する『雪景色』と信じたいものです。

2018/08/21

のぶ

声優への夢が破れ、祖母と二人で生活する杉山未来。祖母は台湾で生まれ育ってきた。入院した祖母を元気づけようと、未来は祖母が生まれた台湾の台南を訪れ、祖母の生い立ちをたどろうと台湾を旅しようと決意する。全体の内容はそんな感じだが、ドラマ部分の要素は薄く、どちらかと言うと台湾の歴史や観光の描写の方が強かった。先に出た「美麗島紀行」のイメージを膨らまして、小説にしたという感じの本だった。ただ、未来の台湾での行動は祖母を想い、いろんな人との触れ合いは読みどころだった。全体としては乃南さんの台湾愛に溢れた作品。

2018/07/16

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