泥濘 疫病神シリーズ
泥濘 疫病神シリーズ / 感想・レビュー
starbro
黒川 博行は、新作中心に読んでいる作家です。疫病神シリーズは、3作目です。安定の面白さ、シリーズ終了かと思いきや、まだまだ続きそうな気配。それにしても、大阪の暴排条例はザルなのでしょうか(笑)
2018/08/12
サム・ミイラ
また疫病神がやってきた。今回のシノギはかなりヤバい。相手は五年前にも桑原と揉めた白姚会。歯科診療報酬不正受給をネタに脅しをかけるという。その裏には元大阪府警警視の作ったOB組織「警慈会」の存在が。金に釣られて引っ張り出された二宮はいきなり酷い事に。またも二人はズブズブと泥沼に嵌まって行く。いつものパターンではあるがいつにもまして会話も絶好調。これだけで読める。込み入った展開と舌戦と暴力描写。最後まで続く緊張感とのバランスが絶妙。これは「国境」以来の傑作だ。相変わらず金遣いも滅茶滅茶。金銭感覚も狂う(笑)
2018/10/19
utinopoti27
待ってましたの疫病神シリーズ第7弾。今回は老人ホーム乗っ取りからオレ詐欺の金主で稼ぐ、悪い奴らの金をふんだくるお話です。おなじみ桑原・二宮コンビの掛け合いは、もはや名人芸の域。そこに府警マル暴刑事の中川が絡めば、もうファン悶絶の面白さ。警察OB&ヤクザの強力タッグを向こうに回し、桑原流の丁々発止、危険度マックスのシノギが炸裂します。振り返れば初回作からもう21年、ヤクザのシノギも随分と窮屈かつ様変わりしたものです。それでも何とかアイデアをひねくり出して、末永くファンの期待に応えてくださいね、黒川センセ。
2018/10/06
ケイ
黒川博之氏作品は黎明期からのファン。と言っても、地元では新作は図書館でもなかなか順が来なかったが。地元人気のひとつは、やはり彼等の大阪弁が生きているからだろう。黒川作品では、切った張った、怒突き合いがあっても、弱者の女性はほぼ無傷なのもいい。そして、猪突猛進方でありながらも計算が早く雑学豊富な桑原、啓ちゃんを大事にしてくれる嶋田など、行き過ぎ感がどこかで抑えられているのもいい。うちの祖母を特養老人ホームの待ちリストに入れるがこわくなったのだが、黒川さん、そうしないといざと言う時に困るんですがどうしましょ。
2018/10/20
R
相変わらず間抜けな会話と、思った以上にドロドロしたカネと闇とにかかわる話で、面白いけども怖い物語を楽しめました。どこにもいいやつがいないと、感じなくもないけど、なぜだか憎めなかったり、本当はいいやつじゃないかと騙されたりしてしまう読書となってしまうのだけど、魅力的なキャラクタの織り成すドタバタが、絶対巻き込まれたくないし、近くにいてほしくないと思うばかりだというのに、次々読みたくなる楽しさと、本当に危険すぎる内容にわくわくするのでありました。でもやっぱり、怖い世界だわ。
2018/11/24
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