牧水の恋
牧水の恋 / 感想・レビュー
榊原 香織
俵万智が宮崎住みて知らなかったな。 牧水若い時の苦しい恋の話。 人妻子持ちて言わず純情な若者と付き合う(おまけに同居のいとことも怪しい)て、相手が悪いと思うんだけど、ず~と苦しんで、名作を生みだしたので、文学的にはま、いっか。 ”山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君” 恋愛上手くいってた時の、大らかな歌
2021/03/08
旅するランナー
若山牧水の実らぬ恋をたどりながら、短歌の背景説明・解説を、俵万智さんが懇切丁寧にやってくれる。出会って寂しく、互いの距離が近くなって悲しく、すれ違って苦しい恋。切ないねえ。日記のごとく詠まれた短歌が赤裸々で、残された手紙には赤面しちゃう。かなりの牧水信奉者でなければ、付いていけないなぁ…
2019/03/06
けいぴ
旅と酒の歌人 若山牧水は、人妻である小枝子との恋愛にとらわれた恋の歌人でもあった。成就しなかったが、小枝子との出会いがあったからこそ生まれた素晴らしい短歌の数々。歌の詠まれた背景を知れてよかった。
2019/10/13
KEI
牧水というと酒と漂泊の歌人や「白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」の歌で知られているが、本書は牧水の恋に焦点を絞り、俵万智が数多い作品、牧水の手紙、弟子らの研究を元に解説した本。牧水の意外な一面が分かり、俵さんの解説も面白く読めた。牧水の生涯に小枝子は大きな影響を与えたが、巻末の言葉【「恋は、いつ始まるのだろうか」という素朴な疑問からスタートした。略。恋はいつ終わるのだろうか】が印象的だった。
2020/12/04
trazom
一流の歌人は、これほどまでに全身全霊をかけて自分の心を歌に託すものであり、そして、それを、現代の一流の歌人が読めば、これほど見事にその心が解読できるのかを知らされて、深い感慨の中にいる。高校生の時に牧水に出会い、その後、若山牧水賞を受賞することになる俵万智さんが、牧水の恋の遍歴の史実を参照しながら、牧水の歌の「歌意」を露わにしてゆく。その行為に付き合うのが、楽しくて仕方なかった。正に、俵万智さんでなければ書けなかった作品である。その俵さんの人生に、牧水が色濃く投影されている影に気付き、時々、ハッとする。
2018/11/04
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