うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 / 感想・レビュー
鉄之助
羽生善治と同い年。だが、羽生より1年早い小学五年で奨励会に入会、「早熟の天才」だった著者が、自らの「うつ病」体験を赤裸々に綴った。「がむしゃらに走ってきた」故に病につながったとも言う。うつ病は、「死にたがる病気」で、とにかく自分を責める→居場所がなくなり呼吸が浅くなる。私もその体験があった。電車が来ると飛び込もうとする、のではなく、吸い込まれそうになる。「苦しみから逃れるためでなく、脳からの信号のようなもので発作的に(自殺を)実行」。具体例が、実に迫ってきた。→ 続く
2019/03/31
修一朗
12月のNHKのドラマを観てこちらへ。先崎さん回復期にお兄さんの勧めでこれを執筆することにしたそう。治療中はメモも取ったことがなかったそうで,心が働かない時の記憶をたどり欝になった側からの状態をここまで詳細にたどって描けていることにえらく感心した。自殺衝動と自殺願望との違いとか頭の中のモヤモヤ状態などよく理解できた。さすが将棋界随一の文章家だ。お兄さんが精神科医で適確に判断してくれたことがとても大きい。「精神科医の仕事はとどのつまり,患者を自殺させないことだ。」とてもためになりました。
2021/01/26
いつでも母さん
「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって」これはうつの方でなくても思う事はある。この本は棋士・先崎九段48才のうつ病1年間の闘病日記なのだ。うつ病は一人で治そうとするのは難しい。先崎さんは、妻や仲間や後輩達の協力もあって乗り越えられたのだと思う。ご本人の記だものその思いは時として、なかなかに重い。「弱くならずに」復帰してやると心に誓うあたり、私はぐっと来た。医師であるお兄さまの的確な助言も克服するのにかなりプラスになっていたと思う。そしてなにより『将棋』が先崎さんの支えだったのだと確信に至る。
2018/08/29
おしゃべりメガネ
うつ病関連の書籍を何冊か読みましたが、下手なドクターが書いた内容なんか、全然比べモノにならないくらい、スッキリ?ハマる内容でした。とにかく筆者の実体験に基づいているので、共感するトコがたくさんあり、どんどん頁をめくってしまいました。読み進めていても、ココロを痛めるコトなく、「わかるなぁ〜」「そうそう!」となり、不思議と妙なスッキリ感を得られました。改めて、ここまでリアルに'うつ'をとらえた書籍もなかなかないんじゃないかなと。読むことで、マイナスなキモチではなく、どこか前向きになれるステキな内容でした。
2018/09/08
Tanaka9999
プロ棋士が将棋がさせなくなる。体が鉛のようになる。生々しいうつ病の記録。うつ病の極悪期、回復期の苦しみの記録がすごく生々しい。勉強になったと思う。
2018/08/27
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