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センス・オブ・シェイム 恥の感覚

センス・オブ・シェイム 恥の感覚

センス・オブ・シェイム 恥の感覚

作家
酒井順子
出版社
文藝春秋
発売日
2019-08-07
ISBN
9784163910703
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センス・オブ・シェイム 恥の感覚 / 感想・レビュー

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ぶち

学生時代に読んだ『菊と刀』で私は"恥が自分の言動をコントロールしている"ことを改めて納得しました。宗教観や道徳観からではなく、恥ずかしいからやめよう、恥ずかしいからこうしよう、と行動していたことを理解したのです。その恥と思う感覚は人によっても時代によっても変わります。このエッセイで酒井さんは現代の人が感じる恥についてユーモアたっぷりに論じています。自分では恥ずかしい事と思わずにやってしまっていることの多さに愕然とします。"ナイス"の数の影に数倍の"ノー"があるという指摘を読むと、ウームと唸ってしまいます。

2020/01/10

あすなろ

恥に関しての酒井氏のエッセイ集。僕は酒井氏の社会の切り取り方が好きなのである。今回の恥の切り口は、見せている・見せない、並行移動・上下動の違い、高校3年生ラグビー男子の母親のお姫様抱っこ等、興味深く現代を違う気持ち高めの視座から考えた言葉で表現する世界を堪能。しかしながら、恥は歳と共に減っていくがそれがいいのか悪いのか…。どちらなんでしょうね。そうして最後はお棺の中で恥も思考もなく一切晒したまま隠しも一つもなく顔を晒すことになるのが私達。ナルホドなぁと思った次第。

2019/12/29

美登利

凄い、酒井さんここまでよく書いたなぁ。恥の感覚は似てるところもあるけれど、そこは違うなと思うところもしばしば。「恥ずかしい言葉」の章はよくぞ書いた!尊敬する。私はチョコとアイスは普通に使います。職場で30代中頃男性が自分の親のことを「お父さん、お母さんが〜」と言うのでこの人何なの?と感じてたのだけど、そういう意味合いがあってのことだったのか。うちの20代の息子たちは父が母がと言ってるけどね。←これこそ自慢ネタ(笑)

2019/11/23

ベイス

日常生活でふと感じる違和感。その原因が「恥の感覚」にあることを巧みに言語化した好著。特に清少納言と紫式部の比較から紐解く「自慢することへの恥じらい」の分析は興味深かった。SNSに日々の経験談を載せようなどという気に全くならない自分の気持ちを、なぜそう思わないのかまでは全く考えたことはなかったが、それは「恥ずかしいから」だったのか!。親への愛情表現をストレートに行ういまの若者たちなどから日本人の恥の感覚の欧米化を感じつつも、根本では大いに恥じらう我々のそれを「生活の知恵」と読み解く結論も妙に腑に落ちた。

2024/04/26

sayuri

酒井さん、最新エッセイのテーマは『恥』身近に感じる内容とチョイチョイ挟まれた毒に何度も噴出しながらの読書時間だった。 「恥の感覚」「中年とSNS」「若者とSNS」「恥と集団」「恥ずかしい言葉」「より良く見せたい」「若さという恥」「感謝に照れない世代」「読んでいる本は」「善行を妨げるもの」「死に支度」など19篇収録。取り敢えず登録してあるfacebookだが、今後も恥の意識を持ちながら自慢と承認欲求の為の投稿は止めておこうと固く心に誓った次第。Instagramも然り。恥の概念を改めて感じる事が出来た1冊。

2019/08/27

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