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プルースト効果の実験と結果

プルースト効果の実験と結果

プルースト効果の実験と結果

作家
佐々木 愛
出版社
文藝春秋
発売日
2019-09-12
ISBN
9784163910901
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プルースト効果の実験と結果 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

あら~ちょっとイイ感じな作品と出会いました。記憶の何処かに置いてきた感覚が蘇ります。どこがどうとは言えないもどかしさ。タイトル作含む短編4話。どれも若さと言う感情のほとばしり。けれど、あざとく前面に押し出さないのが好い。香りの思い出はあると思います。初恋はレモンの味と誰かが言ったようですが、私は若草の香りで思い出す頃があります。若かったなぁ(笑)恋と友情と持て余す自分の気持ち。苦い思いやほろずっぱさ、胸の奥が熱くなったりした頃。今は随分遠くまで来ちゃった感じです。

2019/10/09

おしゃべりメガネ

正直、何がキッカケで本作を手にしたか覚えてないのですが、なかなか興味深い作風でした。4編からなる短編集で、瑞々しさとちょっとダークな感じが背中合わせな感じに惹かれました。個人的にはラストの話が特に印象的で、なんだかなぁと思いつつも最後までしっかりと読んでしまいました。全体的にどの話にも登場するオトコがなんかダメな感じがして、なぜか読んでる自分が意味なくいたたまれない感じに。たまにはこういうサラッとした軽めの作品を手にとるのも悪くはないですよね。しかし、ホント何がキッカケだったか、全く思い出せないのが残念。

2022/04/12

ベイマックス

図書館本。4作品の短編集。「オール読物新人賞」受賞作品を含む初の単行本とのこと。デビュー作なんだね。重くもなく、そういうこともあるよねとか、そうなるかって感じで、伏線というか使った言葉をうまく回しているし読みやすかったです。ただ、重くないってのは良くも悪くもあり、もう少し、登場人物の(せめて主人公)心理描写を深くするといいかな。

2020/09/19

sayuri

「プルースト効果の実験と結果」「春は未完」「楽譜が読めない」「ひどい句点」4話収録の短編集。著者初の単行本の本作は、どこか『女による女のためのR-18文学賞』を思い起こさせる雰囲気が漂っていた。1話目のプルースト効果とは味や香りから過去の記憶が呼び覚まされる現象の事。それをチョコレートで実験した高校3年生の男女の未来がほろ苦くもリアルな現実を伴い描かれている。他、思春期に誰もが通って来た初恋や過剰な自意識、又、女子大生が婚約中の新聞記者に恋をし不倫へ進む話など有り勝ちな内容だが瑞々しい表現力に惹かれた。

2019/09/23

ひらちゃん

なんとも言いようのないこの感情に、心を揺さぶられるのが嬉しい。男の子であれ女の子であれ、あの頃は共感し合ったり憧れたり。少し変わった子をリスペクトしたりしていたなあ。随分過去になってしまったけど、大事な出会いも沢山あった事、思い出させてくれました。最後の短編「ひどい句点」もよく分かる。どうして近づいてはいけない人に、いつの間にか惹かれるのか。永遠のテーマです。一つずつ大人になるんだよね。経験しながら。その途中が一番いい時なのは後になってからしか分からないのにね。

2020/01/16

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