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こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと

こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと

こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと

作家
是枝裕和
出版社
文藝春秋
発売日
2019-09-30
ISBN
9784163911014
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こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと / 感想・レビュー

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ばんだねいっぺい

 是枝監督は、実に人の話をよく聞くし、それでいて、自分自身の演出の芯がぶれないところが、ちょっとやそっとじゃ真似できないと思うし、現場の雰囲気や人間関係を重視していて、怒るポイントがアシスタントの解任というところに人間性を見た。とにかく、ドヌーブのチャーミングさにやられる。ある意味では、中途半端に終わるが、このぶつ切りの感じが自分にはしっくりくる。

2019/09/29

おさむ

先日観た映画「真実」の是枝監督の撮影日誌。構想の段階からの経緯が事細かに記録されており、1本の映画をつくるのにこれだけの手間と労力が必要ということがよーくわかる。フランス流の現場に戸惑いながらも次第に適応していく。是枝さんだからこそなせる技か。主役のカトリーヌドヌーブの傍若無人ぶりは画面から観ても予想された通り。でも、嫌味がない所が75歳の大女優ならでは。フランスは国を挙げて映画という文化を守ろうとしている点や労働時間の厳しい管理など、日本も見習わなくてはいけない点が多々あるように感じます。

2019/10/22

ぐうぐう

先日、BSで『真実』のメイキングを観たのだけれど、言葉の壁やフランス独自の製作スタイル、それにドヌーヴの大女優っぷりに、是枝監督の胃がキリキリしているだろうことが伝わってきて、観ているこちらの胃も痛くなってきそうなほどだった。ただ、『真実』製作過程を自ら書いた本書(言わば撮影日誌)を読むと、放映されたメイキングとはまた違った感触を受けるから不思議だ。もともとは『こんな雨の日に』という戯曲のアイデアから始まった物語が、フランスを舞台に、(つづく)

2019/11/14

青木 蓮友

まず是枝監督の字と絵が、あまりにまんまご本人で思わず笑ってしまいました。チョー、カワイイ。この発見だけでもじゅうぶんに読みごたえあり。メイキングの番組を観て映画を観てからの、読了です。立体的に詳細に作品を堪能できてじつに楽しかった、裏話もね、監督の心情も。途中こんがらがってウェブサイトで確認しつつ、日付や間に入る別件がさらに臨場感。フッと煙草の匂いがした感じがするほど空気感ごと集中できて、ああ、面白かったです。そして、あとがきのラスト。ドカンと、ズキューンと、監督の想いがこちらに響きわたって、沁みました。

2019/12/13

スイ

「真実」は鑑賞済み。 「真実」も、カトリーヌ・ドヌーヴが彼女自身を想起させる大女優役で、更に作中で映画を撮るのだけどその内容と物語が交錯するため、現実、フィクション、フィクションの中のフィクションという三つの世界の境目が曖昧になっていくのだけど、撮影時のことを書いたこの本でも、俳優は本名で書かれたり役名で書かれたり、現実とフィクションが更に入り混じっていくようだった。 テーマの一つである「記憶」は、現実とフィクションの間にあるのだなぁ。 ラスト、樹木希林さんについてさりげなく書かれた部分には思わず涙した。

2019/12/08

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