月岡草飛の謎
月岡草飛の謎 / 感想・レビュー
salvia
痴呆ファンタジー?とくすくす笑いながら読み始めたものの、ブラック・ユーモアの奥にあるものを探るうちに考え込んでしまった。主人公である道楽者で教養豊かな老俳諧師は、生きる欲望に貪欲でありつつも近付きつつある死を恐れ、虚と実の曖昧な境に漂う。作者は『黄昏客思』では「加齢とは世界から謎が減少していくこと」と書いていたが、この小説では最後に「この面白い人生をこの先まだまだ楽しませてもらわねば」と老俳諧師に言わせている。チャーミングな老いを描いていると思う。
2020/09/24
カミツレ
連作短編。冒頭の「ラジオ番組の謎」。著者がパーソナリティをしていたラジオ番組があった、と思いリアルな感じでしたが、いつしか幻想世界へ突入していました。 この現実から幻想へするりと移行する感覚がいいです。 「途中の茶店の怪」黄昏時、河原を歩いていて寂れた茶店でひと時過ごす話。賽の河原みたい、茶店の痩せたお爺さんは幽鬼? 「人類存続研究所」犬になれる方法があるとは知りませんでした。今後も幻想と現実のあわいを期待してます
2022/01/27
chuji
久喜市立中央図書館の本。2020年2月初版。初出「文學界」2016年1月号~2019年11月号にかけて。謎が多くてよくわからない、、、、、、、
2020/03/20
りーよ
最初は何が何だかよくわからなくて、途中でこの御老人はボケているのでは?と思ったが、どうもそういうわけでもなさそう。説明がつきそうでつかない、幻想的とも言い難い不思議な世界だった。本の帯にブラック&ナンセンスとあったので、そういうものと思ってこの滅茶苦茶さを楽しむのが良さそう。たまには物語に置いていかれたような、ポカンとした気分になるのも面白い。
2020/03/08
空飛び猫
現実から切れ目なく続く異世界 そこでみたものは、果たして
2021/01/05
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