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木になった亜沙

木になった亜沙

木になった亜沙

作家
今村夏子
出版社
文藝春秋
発売日
2020-04-06
ISBN
9784163911915
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木になった亜沙 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

巻頭の表題作(短篇)、中編「的になった七未」、短篇「ある夜の思い出」で構成。いずれもファンタジーだが、全く子ども向きのそれではない。いわゆるファンタジックな気分や世界からは遠く、一貫して薄暗い形象に覆われている。就中、「的になった七未」には徹頭徹尾救いがない。もっとも、最後を救いと見るならばそう言えないことはない。そこには光があるのだから。篇中では「ある夜の思い出」が、しいて言えば日常の範疇に収まるか。これが一夜限りの夢、とするならば。もっとも、これが独立した短篇として読むならともかく、作品集の中に⇒

2022/07/21

starbro

新型コロナウィルス対策購入シリーズ第49弾、今村 夏子は新作中心に読んでいる作家です。今村 夏子ワールド炸裂、不条理でシュールな短編集でした。オススメは、表題作『木になった亜沙』です。今村 夏子と村田 沙耶香は、芥川賞女性作家のクレージー・ツートップかも知れません。 https://books.bunshun.jp/articles/-/5394

2020/05/17

さてさて

摩訶不思議な世界観の中に展開する三つの短編から構成されたこの作品。視点が人以外に移動する場合、私達はそれを”ファンタジー”という言葉で理解しますが、ある線を超えるとその言葉さえ違和感を感じる域に到達します。”かっ飛んだ”、”振り切れた”、そして”逝ってしまった”という言葉の先にある世界。それが、この作品の魅力。そのあまりの”かっ飛び”ぶり、”振り切れ”ぶりに、ページをめくる手を止めることができなくなってしまったこの作品。今村さん、この作品凄いです!こんな強烈な世界観、どのようにして思い浮かばれるんですか?

2021/06/21

しんごろ

三編からなる短編集。表題作が凄いね。とんでもないのを書きあげたわ。視点が凄いね。とにかく凄いね。凄いの読まされた感じがするわ。凄いとしか言えないや。芥川賞受賞して、今村夏子ワールドパワーアップしたんでないかい。ただ単純に何々をしてほしいをテーマにシュールに仕上げ、そしてハマるとクセになる今村夏子作品にただただ脱帽した。ただ最後の短篇はいつもの今村夏子作品という感じでした。

2020/04/12

短編集。誰にも食べてもらえない主人公が割り箸になる話、誰にも当たらない主人公が的になる話、何もしたくない主人公がトカゲのようになった夜の話。どれも不気味。まず、なんでこんなテーマを思いつくのだろうという作者の発想への尊敬から入りました。ストーリーは不気味哀しい感じですが続きが気になり読むのを止められず一気読みでした。

2020/08/01

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