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パチンコ 下

パチンコ 下

パチンコ 下

作家
ミン・ジンリー
池田真紀子
出版社
文藝春秋
発売日
2020-07-30
ISBN
9784163912264
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パチンコ 下 / 感想・レビュー

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starbro

上・下巻、724頁完読しました。本書は、パチンコ業界在日コリアン大河家族物語の秀作でした。今年のBEST20候補です。本書が、韓国や日本(実際はあまりに売れてなさそう)で売れるのは解りますが、アメリカで100万部も売れているのが不思議です。「パチンコ」という言葉も知らないはず。韓国人ロビーストや韓国系アメリカ人が暗躍しているのでしょうか?それともベースにあるキリスト教や人種差別がアメリカ人の心に刺さったのでしょうか? https://courrier.jp/news/archives/110308/

2020/10/04

鉄之助

「なぜなんだ?」小説を読んで、こんなにショックを受けたのは、初めてだった。下巻の主役ノアの自殺は、私にとってはあまりにも唐突。「朝鮮人の血管には、あまりにも多くの怒りや激情が流れている」(249ページ)。「在日コリアン」の心情を思いやる…、そんな想像力が今まで足りなかった自分を思い知った。ノアが具体的にどのような死に方をし、その後家族はどのような生き方を強いられたのか。この小説では詳細が書かれていない。が、それを想像する楽しみを読者に与えてくれていると思うと、読了後の余韻が、これからも続いていく気がする。

2020/10/14

とん大西

壮大な家族の物語が終わりました。少女の愛と葛藤の歴史は静かに幕を降ろしました。影島(ヨンド)の厳寒、大阪の喧騒とかおり、麗しき横浜の静謐。冷水を厭わず母を手伝うソンジャがいた。己れの血に耐え忍ぶノアがいた。めげずに前だけを向くモーザスがいた。屈辱も理不尽もあった。かりそめの喜悦と剥き出しの愛情もあった。彼らとともににみた80年、その歴史と未来。深い余韻を残していきました。傑作です。

2020/10/04

R

意図的にメッセージ性を排除したかのように平板に、さりとて内容は重く、大きな波のように押してくる。自身の出自に悩み、その末のある種の解、破綻とも思えるそれが導かれて、どうするのがよかったのか、どうあるべきだったのかがわからないまま、それでも時間を、残った者は過ごしていく。象徴的なパチンコという商売に、別方向から携わった兄弟それぞれの生き方が印象的だった。民族性のような枠組みに囚われて、そこに属していないという身の上が理解されない、抽象化すれば、ごく近くにある重い悩みのようでもあった。

2021/03/22

ちーちゃん

上下巻合わせた感想です。 在日韓国人が日本で生活する大変さを題材にしていると聞いていたので、日本に対して批判的なのかと身構えて読みましたが、全然そんな事なかった! むしろ公平に描かれていて、偏見を持っていた事に申し訳なく思いました。 親子三代のお話で、大河ドラマや朝ドラを見た時のようなスケールの大きさを感じました。 かなり面白かったです!

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