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琥珀の夏

琥珀の夏

琥珀の夏

作家
辻村深月
出版社
文藝春秋
発売日
2021-06-09
ISBN
9784163913803
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琥珀の夏 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

550ページにもなる長編だが、プロットの推進力とパワーは大きい。その上、プロローグからエピローグにいたるまでの構成が実に周到に組み立てられている。初出は何紙かに供給された新聞連載小説だったようだが、全く中だるみもなく、一気呵成に終幕に向かって突き進んでいく。カルト集団めいた「ミライの学校」を舞台にミカ、ノリコらが過ごした少女期が再構成されるとともに、そこに確かにあった彼女たちのそれぞれに固有の感情の在り処があらためて浮かび上がってくる。それは、彼女たちが失われたものを取り戻す作業であったと同時に⇒

2024/06/18

starbro

辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。2年ぶりの長編、期待して読みました。カルト集団に育てられた子供たちの未来、著者が書くとこういう物語になるのは解ります。但し、もう少しサプライズが欲しかった気がします。対局で思いっ切りエンターテイメントに走ると「高校事変」になるんでしょうね。 https://books.bunshun.jp/articles/-/6323?ud_book

2021/07/06

パトラッシュ

琥珀に閉じ込められた昆虫は美しいが死骸だ。記憶という名の琥珀に死骸が混入していたと知った女性弁護士法子は、10歳の日々を確かめる旅に出る。理想の教育をめざした共同生活での甘く切なくほろ苦い思い出も、そこに絡まる大人の身勝手な思惑が明らかになるにつれて泥臭く汚い現実が露呈してくる。傷つくのがわかっていても親になった法子は真実を知ろうとするが、そこで見つけたのは子供の残酷さが起こした事件だった。いつもの辻村作品ならもっと詳細に書き込まれるラストが、新聞連載のためか法子が報告する形でまとめられていたのが惜しい。

2021/08/06

うっちー

親もいろいろいるので、唯一で正解はないかもしれません

2021/06/30

まちゃ

子供は社会が育てるという理念の基で、子供たちを親と離して集団生活させる〈ミライの学校〉。かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地跡から発見された子どもの白骨死体。30年前、そこで夏を過ごした二人の女性、田中ミカと近藤ノリコ、の幼い日の罪と友情の物語。親の信念や信仰で集団生活を送る子供たちの気持ちがリアルに描かれていたと思います。さすが辻村さんですね。面白かったです。

2021/08/21

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