ものがたりの賊
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ものがたりの賊 / 感想・レビュー
starbro
真藤 順丈、4作目です。著者の久しぶりの長編は、大正アナキスト日本文学ファンタジーでした。著者は、かなり楽しんで書いている気がしますが、読者はそれ程面白くありません(笑) https://books.bunshun.jp/articles/-/6673?ud_book
2021/11/24
ままこ
史実も交え虚実入り混じった大活劇。時は大正、竹取物語の翁の“血の恩寵”を受けた坊ちゃん、踊り子、光源氏、八百比丘尼、李徴、机龍之助たちが軍部の一部が秘密裏に行おうとしている【不死鳥計画】を阻止する為にそれぞれの得意技を活かし暗躍する。黒幕はかなり強敵。様々な文学作品のオマージュありで登場人物やその一文がいたるところに散りばめられているが原点の注釈が巻末にあり助かる。関東大震災のシーンはリアルで文学作品の登場人物が違和感なく紛れ込んでいる。軽妙な語り口の壮大な時をかけるアベンジャーズ。好み分かれる作品。
2022/02/02
のぶ
この本は一種の奇書なのだろうか?ジャンルを分ければファンタジーになるのだろうが、内容はかなりの荒唐無稽で、古典から近代文学の登場人物、竹取の翁、光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子・薫、半人半虎の李徴他多数が、大正から昭和の時代を駆け巡る。ストーリーはあるが、自分の表現力ではとても表現できない。ただ本書が愚作かと言うとそんな事はなく、巻末に注釈と原典解説が付いていて、見ると著者の文学への造詣と、知識の深さが伝わってくる。自分はこの注釈をあまり参照せずに読み進めたので、入り込めなかったのかもしれない。
2021/11/29
Bugsy Malone
時は大正、東京が帝都と呼ばれていた震災前後、史実と物語が融合し坊っちゃんやら麻呂さんやら文学史上の人物達が虚実入り乱れる中活躍する胸ときめく奇想冒険物語。もうそれだけでも面白い。でもそれだけでは無いのです。最後の一行を読んだ時、著者のあのデビュー作「地図男」に再度巡り会ったような感覚を持ち、それと共に以降著者が紡いだ物語が、いま迄に読んで来たあらゆる物語が、ごちゃ混ぜになって押し寄せ自分の生き方にまで想いが巡り、「うぐぅ~」と嗚咽する程のとんでも無い感動に包まれてしまいました。とてもとても良かったです。
2022/01/12
るぴん
図書館本。真藤さん初読み。「賊」と書いて「やから」と読む。関東大震災に乗じて国家転覆を目論む悪に対峙すべく立ち上がった、竹取の翁を長とする不老だけど不死ではないチーム翁。六条院(光源氏)、高野聖、李陵など物語の登場人物が特殊能力を駆使して戦う様は、まさに日本文学版アベンジャーズ!主人公の坊ちゃんの能力が無鉄砲だけというのは少し笑える。逃げ惑う市井の人々まで全て文学上の人物で、註釈が付いているのが凄い。ただ、そこまでの徹底ぶりなのに、ラスボスは実在の人物だったのは残念。半分フィクションみたいな人だけど→
2022/02/27
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