インディオの聖像
インディオの聖像 / 感想・レビュー
紫羊
30年以上前の立花隆氏の未完原稿が刊行された。まず巻頭の佐々木芳郎氏による彫像の写真に驚かされる。ヨーロッパのキリスト教美術とは一線を画す独特の美しさがある。重いテーマにもかかわらず立花隆氏の文章は淡々として軽やかだ。最近ヘルツォークの「アギーレ、神の怒り」を観たばかりなので、いくつかの場面が映像として浮かんできた。未完でも十分読み応えのある作品だった。
2022/09/08
横浜中華街2024
立花隆氏が86年から87年にかけて写真家の佐々木芳郎氏とともに南米パラグアイのレドクシオン(伝道村)を訪問したルポタージュ(未完)を2022年出版したもの。スペインカソリックの宣教師による伝道村の歴史とその見事な遺跡について描かれているが、中途からスペイン人(ピサロとコステロ)による南米大陸の侵略とインディオの虐殺と奴隷化、金銀の収奪と搾取などの恐るべき事実をラス・カサスの著書と共に紹介しており、改めておぞましい歴史を確認することが出来る。立花氏の遺稿を出版してくれた佐々木氏に感謝。
2023/07/03
DEE
30年以上前に著者がカメラマンと南米を周り、キリスト教と正面から向かい合った記録。しかしゲラの段階で作業は止まり、その後著者の急逝で未完となる。残った原稿を形にしたのがこの本。コロンブスが新大陸を発見し、その後スペイン人によってインディオは激しく迫害され、その間にイエズス会によりキリスト教は広められる。その流れがとても丁寧に書かれていて、自分のような歴史に疎い人間にも興味深く読める。立花隆は死ぬまでに完成すべき本と位置づけ、写真家は写真の質に拘り再度撮影しに行く。この本にかけた想いを窺い知れるエピソード。
2022/06/26
takao
ふむ
2022/08/11
Go Extreme
インディオの聖像 イエズス会の創始者たち 立花隆を魅了した聖像 父なる神と三大天使像 グアラニ・バロックで見る聖書物語 ①ローマ教皇のミサに選ばれた聖母子像 ②ヨーロッパではなきに等しいイエスを抱くヨセフ 世界遺産となったイエズス会伝導村の遺跡 サンチアゴに残る板絵 神の王国イグアス紀行 インディオたちの聖像 ラテン・アメリカのキリスト教美術 インディオの聖像 直接教わったこと: 時系列の年表 相関図・書き込み 取材の原点と原典 書き出しのプラン→書くことができる 文明社会がインディオの社会を侵略
2022/07/06
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